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ガンダム00 SS
epilogue in 2314 ?

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Y国南部 山岳地帯

結局、俺の居場所はMSのコクピットだった。輸送艦から出撃した俺の機体ーーノーヘッド3番機が他の2機に追随して戦場へ飛翔する。

ノーヘッドはその名の通り、頭部がない個性的なMSである。これは、頭部が戦闘中に比較的狙われ、被弾しやすいというデメリットを解消したためだ。

その代わり、機体の各所にセンサー類を分散させたことで機体性能はアップし、連邦軍の主力量産機になるーーはずだった。

アロウズのスキャンダルが発覚し、本機の開発は10機のみで中止となった。現在、連邦の主力機はジンクスWで、特殊部隊ではフラッグの発展型が運用されている。

「まさか解体されず、現役で使われているとは…」

俺は思わず口に出してしまう。しかも、よりによって停戦監視団所属だ。大量虐殺を犯したアロウズが世論の反発を受ける存在にも関わらず、アヘッドの後継機を使うとは皮肉すぎる。

2番機のファルコ・ケイリー少尉が回線を開き、通信を行う。

『PMCのMS部隊を確認。ジンクスV6機。Y国MS部隊はX国MS部隊と交戦継続中。こちらには気づいてるはずですが』

隊長を務めるエド・マックス中尉が言った。

『我々の目的ははあくまで母艦の防衛だ。各機、油断するなよ!』

「了解」

その言葉を聞いたかのように、敵のジンクスVが攻撃を再開する。彼らにとって、停戦監視団は戦争事業の邪魔でしかない。両国の戦闘を『守る』ためにも、こちらを攻撃するのは必須になる。

俺は機体を操作し、敵のビーム攻撃を避けていく。左サブモニターが警報を鳴らし、敵が接近戦を仕掛けてくることに気づいた。

ノーヘッドの主武装であるGNビームライフル下部からGNビームサーベルを発生させ、敵のビームサーベルを受け止める。だが、ここで止まってはいけない。敵の本命は次の攻撃だからだ。

「やらせるかよ!」

ノーヘッドのビームサーベルが出力を増す。敵のジンクスVはそれに対抗するが、ノーヘッドのビームライフルの銃口の前に押し出されてしまう。

その一瞬こそが狙いだった。俺は瞬きをするのも忘れ、トリガーを引く。

ビームの煌めきがジンクスVの太陽炉を貫いた。俺は爆発する敵から離れる。

敵は残り5機。母艦は最初の一撃以降、被弾していない。

そして、それは最後まで続けられるだろう。俺はノーヘッドの性能を直に体験しながらそう確信した。


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