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Raison d'etre
二章 ペンフィールドのホムンクルス
12話 望月麗(4)
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「……過去最大のESPエネルギー量が観測されたらしいね
 誰かの不安そうな声がそれぞれの識別灯で明滅する部屋に響いた。
 それをかき消すように第四小隊長の黒木舞が叫んだ。
「さて、今日は精鋭揃いだ。大物を落とした子には優くんとの一日デート権をプレゼントするよ」
 周囲の第四小隊のメンバーが笑い声をあげる。
 今回出撃するのは第一から第六小隊の第一分隊、総勢48名である。
 各小隊の第一分隊には近接戦闘が可能な、ESPエネルギーに恵まれた少女たちが集められている。今回、戦力として安定しない少女たちは作戦に組み込まれていなかった。
 優はちらりと後ろを見た。麗もこの精鋭の中に混じっていた。
 彼女は何かを考え込むように小銃を睨んでいる。
『ハッチ開放』
 オペレーターの宣言とともに、出撃ハッチが開いていく。
 夜の冷たい風が吹き込んだ。
『これより出撃を命じる』
 通信機から奈々の言葉が届く。
 それを合図に各員の機械翼が一斉に展開されていく。
「第一小隊出撃」
 奈々の命令とともに、優たち第一小隊に属する第一分隊計8名は大きく床を蹴った。
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