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名探偵と料理人
番外編2 金田一少年の事件簿:天草財宝伝説殺人事件
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「おはよう、父さん母さん。そして、改めて明けましておめでとう」
「おはよう、たっくん。明けましておめでとう!」
「おはよう龍斗。明けましておめでとう」

新しい年を迎えた。今日ばっかりはいつも飛び回っている両親も帰ってきていた。逆に紅葉達は京都の方へと帰っていていない。年越しそばを食べてから日付が変わるまで起きていたのですでに新年のあいさつをしていたがまあ、こういうのは言っても問題ないだろう。
ちなみに夏さんは一昨日から旅行に出ていた。一緒に新年を迎えましょうと言ったのだが「家族水入らずで過ごしてください」と、気を遣わせてしまったようだ。

「それじゃあお節を食べようか」
「その後は初詣に行くわよ〜」

そう言って父さんが食卓に持ってきたのは立派なお重に入ったお節料理。俺も手伝うと言ったのだが今回は遠慮してと言われたので渋々不参加だ……うん美味しい。

「そういえば龍斗。もう大会まで十日を切ったがどうだい?調整の方は」
「ん?そっちの方は全然大丈夫。4年前みたいにいきなり大会に出るってわけでもないし。次郎吉おじさんが張り切って滞在先を確保してくれたしね」
「そういえば将来的にはどうするのよ?紅葉ちゃんの所に婿入りするのか彼女が緋勇家に嫁入りするのかはまだ何も聞いてないけど、今のマネジメントは鈴木財閥にお世話になっているんでしょう?大岡家も結構な家柄よ?不義理は出来ないわ」

昆布巻きをつまみながら母さんは言う。
今の俺は個人の依頼を鈴木財閥傘下の会社を通してもらっている。というのも俺が有名になってから依頼の処理が中学生活に支障が出るくらいに追いつかなくなって、困っていた時期があった。何をするにしても中学生という身分が引っかかったのだ。愚痴ったことは無かったがそこは10年来の幼馴染み、困っていることにすぐに気づいたそうだ。そして俺の状況をその中でも一番正確に知っていた園子ちゃんが家族との団欒の際にぽろっとこぼしてしまったそうなのだ。
更に重なってそこにいたのは相談役となっていた次郎吉おじさん。とんとん拍子で依頼の選別、法律関係、依頼料などなど雑事になりうることを全て請け負ってくれる会社を作ってしまったのだ。俺がその話を聞いたのはすでに人員を配備し、会社を立てた後だったので恐縮したが甘えることにした。前世で色々経験しているといえ、その時の自分にはその方面ではうまく解決する力がなかったのだから。

「うーん。どうなるかな?でもどういう形になるにしろ、次郎吉おじさんは変わらず口出ししてくると思うけどね」
「あら?そういえば、貴方が今の形に落ち着いた話って詳しくは聞いたこと無かったわね」
「そういえばそうだな。そこら辺はどうなんだ龍斗?」
「あー、うん…」

俺はさっき思い出していた中学時代の話に加えて、次郎吉おじ
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