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名探偵と料理人
第三十八話 -学園祭翌日-
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翌朝、俺はいつもより少し早めに起きて朝食の準備をしていた。

「あれ?おはようさん、龍斗。今日はいつもより早いんやな」
「ああ、おはよう紅葉。もうすぐできるからゆっくりしてて」
「はいな。そういえば今日は何をするん?学園祭後って事で皆浮き足立ってて授業なんてできんやろ?」
「ああ。終日学園祭の片づけと各クラスでの反省会だな。…でも昨日の殺人事件がどう影響してくるか…」
「せやなあ。でも大丈夫やない?きっちり龍斗がアフターケアしたんやし」
「だといいけどな…」
「それで?学園祭の後片付けをするのは分かったけど今日はなんで早起きなん?」
「ん?ああ、せっかく新ちゃんが元に戻れたんだし蘭ちゃんと二人っきりで登校させてあげようかなって。先に出ておけば顔を合わせて断るより気まずくならないでしょう?」
「そう言えば新一君元に戻ったんやね」
「……でも。多分あれは一時的だと思うよ?昨日の夜会ってきたけど細胞がだいぶ不安定だった。多分今夜にも…」
「そんな!?それ、新一君には伝えたん?」
「いや。今回は博士たちがバックアップしてたから任せようかなって。新ちゃんに言って精神の揺らぎがどんな影響を及ぼすか分かったもんじゃないからね」
「……そっか。でも蘭ちゃんも辛い目に会うことになるんやな。せっかく会えたのに」
「新ちゃんは。蘭ちゃんの事を想って死ぬかもしれない覚悟を持って解毒薬を飲んだんだ。ちゃんとフォローするさ」
「蘭ちゃん…」

そう言ったきり紅葉は黙りこくってしまった。でもこと恋愛に関して俺の出来る事はほとんどない。経験豊富ってわけでもないしね。俺も紅葉の事で思い悩むことだってある。これでいいのか?あの時の言葉は言い過ぎてないか?冷たい態度になってたんじゃないか?悩みは尽きない。近くにいる恋人同士でもそうなのだから、まだ両片思いの様相の二人だと離れている時間は気が気じゃないんじゃないかな…もしかしたら、今夜にでも?


「俺達は俺達でできるフォローをしてあげよう?特に紅葉は蘭ちゃんからの恋愛相談に乗ってあげられるだろうし」
「…分かった。そうする」
「お願いね……さあ、朝食が出来た!これを食べて早めに学校へ行こう」


――


学校に行く途中、盗撮されている気配を感じて不自然にしゃがんだりして紅葉に怪訝な顔をされたりしたが無事学校についた。最近多いんだよねえ。紅葉とのデートの待ち合わせとかで街中に立っていると勝手に撮りはじめようとしたり(まあその時は顔をそむけたりしているが)、デート自体に付きまとったり(こっちも顔が映らないようにしている)、本当にもっと別なことに気を回せばいいのにとは思う。街頭にある監視カメラはどうしようもないが人がこっちに意識を持って「撮る!」という「意」を感じ取るのはそう難しい事ではないし
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