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十六夜咲夜は猫を拾う。
第15話
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あ、気長に待つことにしましょう』
『はい、お嬢様。』

気長に待つ、と聞いて咲夜は即座に紅茶を用意する。
そんな長い間、ただなにもせずぼうっと月を眺めているだけでは喉も乾くだろう。
夜は眠気を邪魔しないように、優しいカモミールティーを淹れる。香りもよく、味も刺激的でもなく甘すぎない。

『お嬢様。紅茶をお持ち致しました』
『咲夜、ありがとう』

紅茶を一口飲むレミリア。

すると、窓からは夜だというのにまだ元気いっぱいのフランと、そんなフランに振り回されている美鈴の姿があった。
そんな微笑ましい光景に、笑がこぼれるレミリア。
庭に植えてあるパチュリーの花を興味深く見るフランと美鈴。流石にその花を抜こうとしていた時は止めていたが、他は全部振り回されっぱなしの美鈴に、咲夜までも
くすくすと笑ってしまう。

『ねえ、咲夜?』
『はい、なんでしょうか』

『…白夜が降りてこないのだけれど?』
『あれ、そう言えば…。すみません。すぐ降りてくるように言いますので____________』
『いえ、いいわ。』
『えっ…?』

がた、と席を立つレミリア。

『私が直接呼び出すわ。咲夜も付いてきてちょうだい』

『………………仰せの、ままに。』

言葉は沢山浮かんだ。

勿論メイドの自分がやる、とか、
お嬢様は座っていてください、とか

でも、それらを全部飲み込んだ。

疑問点はあるが、ここでレミリアが直接
部屋に行かないと白夜は出てこないと思ったのだ。


こんこん、と再度白夜の部屋をノックする。

『白夜?私よ、レミリア。ちょっと出てきてちょうだい。』
『あの、でも…!』

ガチャ

『あ…っ』

躊躇う白夜をよそに、ドアを開けたレミリア。

『え…っ?!』

『やっぱりそうだったのね。』
『ちが…あの、これは…!』

白夜の姿を見ておどろく咲夜。
焦りも戸惑いも見られず、想定の範囲内だという顔をしているレミリア。

そして、自分の体を必死に隠そうとしている白夜。


『月の妖力が感じられないのは…

貴方が吸い取っていたからなのね。
月の妖力がひとつに集中すると、体が光り出すのよ』

『あの…あ…』

『そんなの、隠せるわけないものね。…それも無意識なのかしら?』



白夜の体が、月の淡い光を放ち、きらりきらりと
光っていた。

小さな窓から差し込む、月光をあびて。
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