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Raison d'etre
一章 救世主
13話 広瀬理沙(3)
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よう誘導したのだ。イーグルから華に直接的に向かうならば、追尾能力は意味を為さず、撃ち落とすのは遥かに容易となる。ある種の突破口が開けた瞬間だった。

◇◆◇

 神条奈々は、ディスプレイの向こうで華が見せた迎撃手段に、感嘆の息をもらした。
 そして、なるほど、と思う。誘導能力そのものを無価値にする事で、光弾は数段撃ち落としやすくなる。
「華、良い考えよ。今のはイーグルを攻略する為の突破口になる」
『でも、避けるだけじゃ勝てません。イーグルに致命傷を与える方法を考えないと』
 奈々の称賛に、華が強張った声で答える。その規範的な考えに奈々は苦笑した。
「凛、やれる?」
 中隊の中で最も火力に優れる第六小隊長の白崎凛に確認の言葉を投げる。
『高い機動性が厄介です。致命傷を与えられる射程まで入る事が難しい。他の援護が必要です』
「わかった。華、雪、詩織はイーグルの動きを制限する事に専念して」
『はい』
 三人から快諾の声。
 ようやくイーグルの攻略に乗り出した時、司令室に一人の男が入ってきた。
「都内の街頭カメラに桜井優の姿を確認しました。これから映像を送ります」
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