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Raison d'etre
一章 救世主
7話 黒木舞(2)
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に機械翼が取り外される。身体が軽くなり、奇妙な浮遊感に襲われる。
「ありがと」
 取り外した機械翼を京子から受け取り、優は笑みを浮かべた。
「じゃ、戻ろっか」
「うん」
 横に並んで本部に向かう。その時、背後から華の呼び声が届いた。
「京子、待って! 私も一緒に行く!」
 振り返ると、こちらに向かって華が走ってくるのが見えた。優と京子は立ち止まって、華が走ってくるのを待った。
「報告終わったの?」
「うん。ばっちり」
 京子の問いに華が笑顔で答える。
「神条司令の注意が黒木さんに向いてたから、報告早く終わっちゃった」
「黒木さん、毎回よくやるなぁ……」
 京子が呆れたように呟く。マイクを切り忘れていた事に対してだろう。毎回、という言葉が気になって優は首を傾げた。
「黒木さん、ああいうの良くやっちゃってるの?」
 華が苦笑して頷く。
「うーん、何て言うか、結構訓練サボっちゃったりとか、会議中に寝ちゃったり色々しちゃってるから。でも、面倒見良くて凄い良い人だよ」
 そんな人が第四小隊長で大丈夫なのだろうか、と微かな不安を覚える。しかし、それを補う程の何かを持っているのだろう、と優は解釈した。
 冷たい風が吹く。うう、と華が小さく呻いて身を抱いた。汗を大量にかいていた為、秋風が凍えるように冷たく感じる。優達三人は他愛のない雑談をしながら、急いで訓練場を後にした。
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