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Raison d'etre
一章 救世主
3話 長井加奈
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るように口を開いた。
「司令、あの、それは――」
「念の為、リソースは多く設定しているし、亡霊の個別能力は低いと予測される。彼の動きをもう一度確かめるにはちょうどいい」
 奈々の言葉に、加奈は渋々といった様子で頷いた。
「もしかしたら亡霊も司令と同じ考えなのかもしれませんね。優君の能力を再確認したいのではないでしょうか」
 奈々は何も答えなかった。代わりにコンソールを操作する。画面に映る膨大な亡霊の数を見て、ただ苦々しい顔をした。
 もしかしたら、今までの戦いは序章に過ぎなかったのかもしれない。ふと、そう思った。
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