一章 救世主
1話 神条奈々
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、周りが女ばかりというのは嫌?」
その言葉に、優は僅かばかり考え込んだ。
「……嫌ではないです。でも、やっぱり馴染みづらいです」
それを聞いた奈々は頷いて、優から目を離した。
「斎藤、こっちに来て」
奈々が奥にいた若い男性を呼び付ける。
斎藤と呼ばれた男がディスプレイの並んだデスクの間を縫って近づいてきた。
「この人は、情報部の斎藤準(さいとう じゅん)という人。何か困った事があったら、これからこの人を頼るといいわ」
「紹介に預かった斎藤準だ。対策室のシステム運用に携わっている。よろしく」
斎藤準は友好的な笑みを浮かべて、そっと手を差し伸べた。優は慌ててその手を握った。
「桜井優です。よろしくおねがいしますっ」
「今日は生憎これから仕事が入ってるんだが、今度一緒に飯でもどうだ。周りが女ばかりだと、落ちつかないだろう」
気さくに誘ってくる準に、優は満面の笑みを浮かべた。
「はい。是非、お願いしますっ」
「さて。紹介はこれで終わり。斎藤は持ち場に戻って。優君と話があるから」
奈々の言葉に準は頷いて、司令室から出ていった。それを確認した奈々が優に向き直る。
「ここからが本題」
優は黙って先の言葉を待った。
「十日以降に亡霊が出たら、実際に出撃してもらおうと思ってるの。もちろん、戦闘ではなく見学の意味で。戦闘記録は何度か見た事があろうだろうけど、実戦は全く違うから、それを肌で感じ取ってもらいたい」
「実戦、ですか……」
自然とトーンが落ちる。
「心配しなくても大丈夫。君が直接戦う必要は絶対にないから」
奈々が断言する。
優は頷く事しかできなかった。
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