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少年は魔人になるようです
第117話 修業は順調のようです?
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僕らが気付くか、それらしい事を言ったり言わなかったりして惑わせて来ただけだったのに、

この最終局面で―――って、そうだ、ゆっくり修業してる暇じゃない!

せめて同じ技術を手に入れるんだ。

遅延魔法、遅延魔法だ。何がある?遅延、装填、魔力充填もそれに当たる。いや、少し見方を

変えれば『固定』もだ。僕に出来るのはこれだけ。

組合わせて、かつ同時に『掌握』する為には―――!


「"ラステル・マスキル・マギステル! 『天壌歌舞する天上の拳 固定』"!!」
ガンッ!

まずはこれからだ。

いつも通り『固定(スタグネット)』してからが問題なんだ。ただ『掌握』したら『術式兵装』に

なるだけ。片腕に出来る装填でも魔力充填でも"魔法"のまま。

なんだ、簡単な事じゃないか!!


「"()()()()"………!!」


なら、同時にやればいいだけ。右手に『固定』していた魔法を左手に持ち替え、何も捻りも

無い、急造の魔法で右手に巻きつけるイメージで叩き込む。

なんだ、これ・・・!今まで使って来た魔法の中で一番難しい!少しでも気を抜けば『掌握』

してしまいそうになるし、力を入れれば『固定』が不安定になる。

ダメか、一回体勢を整えた方がいいのか?


「戯け、この程度で及び腰になる奴があるか。」

「え……。」

「魔法を使う上で重要なのは"素質"・"研鑽"・"経験"だ。だがそれは必要なだけであって必須

じゃあない。いいか!魔法を使えて当たり前と思え!『前は無理だったけど』とか『きっと

今度こそは』なんて曖昧で弱気でウゼェ前振りはいらん!!」


呆然となる僕を鼓舞するかのように、愁磨さんが語り出し、叫んだ。


「『今なら出来る!!』だ!自分を信じろ!!」

「ぅ、う、おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!

発破を受け、僕は考える事をやめた。

戦いに直面すれば全力で当たってはいたけど、修業とか研究になると最初から力を加減して、

調整して、ってやり方しかしていなかった。

それは確かに失敗しても小さい。徐々に正解に近づけはするし、して来た。

そうだ、今はそんな時間は無い。だったら、初めから全力で立ち向かうしかなかったんだ!

"今の僕なら出来る"!!


「だからッッ!!!」
ガシュンッッ!!

右腕に絡まっていた締め付けが消えた。違う、今は僕の右腕がそれになった。


「"右腕兵装『掴む天拳』"……!!」

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