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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第八十五話 尋問の威力
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ベルク元帥が皇帝の元へ参内したのは午前4時50分のことであった。
ケッセリング中将に案内されて謁見の間に行くと陛下が待っていた。

「皇帝陛下急なるお呼び如何為さりましたか?」
「うむ、元帥大変な事が起こったのじゃ」
「大変な事とはいったい何が?」

「うむ、装甲擲弾兵副総監オフレッサー大将の館が暴漢に襲撃されたのじゃ」
「なんと、オフレッサーの館を襲うとは、では直ちに憲兵隊を派遣致します」
「いや元帥、その憲兵隊がオフレッサー館を襲ったのじゃ」

「なんと陛下それは真でございますか?」
「真じゃ、証拠もある」
そう陛下が言うと、ケッセリング中将がクラーマーが部下に襲撃の指示をする音声を流した。

『そうだ、オフレッサーの家を襲撃させろ。
フレーゲル男爵の許可を受けている以上、ブラウンシュヴァイク公の後ろ盾を受けた訳だから大々的に襲撃させろ。後はハイドリッヒ、お前に任せるぞ』

この音声を聞くエーレンベルク元帥とケッセリング中将の顔が見る見るうちに真っ青になっていく、そして冷や汗もかき始めた。

「陛下此は、大変な事ですぞ」
「そうじゃだからこそ元帥を呼んだのじゃ」
「憲兵隊の不始末、小官の監督不行でございます。如何様な処罰をお受け致します」

神妙な顔で頭を下げるエーレンベルク元帥を陛下が宥める。
「今回の件は元帥のせいではない、此まで憲兵隊をほっておいた、予にも責任があるのじゃ」
「陛下その様な事・・・」
「其処でじゃ元帥、この機会を持って憲兵隊の膿を出し切りたいのじゃ、協力してくれるな」

「御意、誠心誠意勤めさせて頂きます」
「実はな、宮中警備隊を使って昨夜オフレッサー館を襲った襲撃犯と従属犯そしてクラーマーを宮中警備隊庁舎にて尋問中じゃ、此より予も参る。元帥も共に参れ」
「御意」

ケッセリング中将を案内役に陛下とエーレンベルク元帥が宮中警備隊庁舎へと向かって行った。


午前6時 皇帝別宅

 昨夜の夜遊びをシュザンナへ言い訳しているテレーゼが居た。
「テレーゼ、昨夜は何故別宅にとまりましたの?」
「お父様や爺と話し込んでしまって、時間が経ってしまって夜は怖かったので、
お父様が止まって行きなさいと仰ったのです」

「で陛下はどうしたのですか?」
「お父様は、朝の運動に行ったみたいです、エーレンベルク元帥に影響されたみたいですよ」
「あら、そうなのね。けどねテレーゼ、成るべく館には帰ってきなさいね。
お泊まりするなら、早めに連絡をしなさいね」

「ご免なさいお母様」
「それじゃ、今日は其処からお勉強に通うのですね」
「はい、お母様」
「テレーゼ行ってらっしゃい、今日は帰るのですよ」
「判りましたわ」


ふうううー何とか誤魔化したよ、本当
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