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NARUTO日向ネジ短篇
【誰が為、何の為に】
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……ただ、俺達の時代とはやはり“覚悟”が違うとは思う。この平穏な時代に覚悟というのを強要するのは酷なんだろうが……」

「忍になるカクゴってやつ? とりあえず任務ってのをこなしてきゃいいんじゃねーかな」

「ただ与えられた任務をこなすだけというのもな……。一見平穏そうでもいつ何が迫り来てもおかしくはないし、その為に備え自身を鍛えておくというのも大事だろうと思うが……。ボルト、お前は筋が良いのに努力が足りていないように見える。そのままだといざという時、大切なものを守りきれないんじゃないか」

「平気だってばさ、そんなに努力しなくてもオレとっくに影分身使えるし、他の忍術もそれなりだし日向仕込みの掌底だって軽く使えんだからさ!」

 ボルトは強気な表情をネジに見せる。

「いや、だから……まぁ、あまり俺が口を出すべきではないんだろうが」

 ネジは小さく溜め息をつく。


「つかおじさんはカクゴっての、いつから持ったんだってばさ?」

「──日向の呪印を刻まれた時から、分家として宗家を命を懸けて守るという覚悟を持たざるを得なかった、と言うべきか……。父が亡くなってからは、“諦め”の方が強かったかもしれない」

 ネジはふと、目を伏せた。

「ネジのおじさんの父ちゃん……、オレとヒマワリにとってはもう一人のじぃちゃんだよな」

「そうだ。里や仲間、家族の為に自らの自由な意志によって、宗家の兄に代わって亡くなった俺の──。その事実を知らず、宗家に逆らえるはずもなく父はあくまで分家の立場で殺されたと思い込んでいた時期があって……俺は日向宗家の為、この籠の中の鳥の象徴ともいえる呪印と共に消える……死ぬしかない運命だと思って、諦めていたんだ」

 片手をそっと額に添えるネジ。

「そんなに、深刻に考える必要ないじゃんか。その気になれば、逃げれたんじゃねぇの?」

「そんな単純な話じゃない。宗家に呪印を使われれば頭部に激痛を与えられ、その気になれば脳の神経細胞を破壊する事も可能だからな」

「??───」

 淡々と述べるネジの表情は読めず、ボルトは少しの間言葉が出なかった。


「おじさん……使われたことあんの?」

「さぁ……どうだろうな」

 ネジは瞳を閉ざし、ボルトの問いに対しては答えなかった。


「俺が諦めるのをやめられたのは、お前の父親……ナルトのお陰なんだ。『運命がどうとか、変われないとか、そんなつまんないことメソメソ言ってんじゃねぇよ。お前はオレと違って、落ちこぼれじゃねーんだから』──と、言ってくれてな」

「ふーん……、そりゃおじさんはオヤジと違って天才だもんな」

 何の気なしに言ったボルトに、ネジは少し困った微笑を浮かべる。

「……凡小にすぎないよ、俺
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