仇討ち
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「ウルフヘイム様!!」
体のど真ん中を貫かれ地面を転がるウルフヘイム。彼に追撃しようとしたリュシーを見て、ジュラが岩鉄壁で止めに入る。
「無駄な足掻きよ」
目の前に現れた無数の岩の壁。リュシーはそれに飛び蹴りを放つと、まるで発泡スチロールを壊すように容易に突破してしまった。
「バカな!?」
軽々と自らの魔法を突破する女性に衝撃を受けずにはいられない。そのままリュシーは虫の息となっているウルフヘイムにトドメを刺しに行くが、ハイベリオンが割って入る。
「おっと」
手を向けてきた伯爵のような男性を見て空中で一回転して飛び越えるリュシー。彼女は一度距離を置きつつ、ウォーロッドとジュラの動きを確認する。
(こっちから始末するか)
左腕を突き上げ拳を固める。その手に魔力を集中させると、足元の地面を全力で叩き込む。
「アースブレイク」
「「!?」」
一瞬何をしようとしているのかわからなかったが、すぐに異変が襲ってきた。その場を襲う巨大な振動。それにより起きたのか、ジュラとウォーロッドの足元が浮き上がり、バランスを崩した彼らは元の高さにある地面へと落とされる。
「ウォーロッド!!ジュラ!!」
地面に頭から落下した彼らを心配してハイベリオンはそちらを向く。しかしそれは、やってはならない失態だった。
「ファイアブレイク」
「しまっ―――」
よそ見をしていた彼の腹部に手のひらを当てる。そこから吹き出した炎が、彼の体を焼き焦がした。
「うわあああああ!!」
押し飛ばされた格好になり地面を転がるハイベリオン。それにより炎は消すことができたが、ダメージは絶大だ。
「全ての物体に最小の力で最大の力を加えることができる魔法・・・『オ・マースアル』。さすがだな」
「持って生まれた高い魔力に力を余すことなく敵にぶつける能力・・・まさしく破壊の女神」
わずか数秒で4人に大きなダメージを与えたリュシーは、一切の疲れを感じさせないほど落ち着いていた。彼女は自分に最も近い場所にいるウルフヘイムの首に手をかける。
「リュシー・・・」
「安心しなさい、痛みを感じないほど一瞬で粉々にしてあげるわ」
憎悪の目で接収が解けている老人を見据え、彼を粉砕するために魔法を放とうとする。その瞬間、彼女の足元から大木が突き上げてきた。
「キャッ!!」
現れた木々に体の動きを奪われる。しかしそれも束の間、すぐさま木々を粉砕すると、この魔法を繰り出した老人を睨み付ける。
「まだ痛め付け足りなかったかしら?ウォーロッド」
頭から出血している木のような老人。彼はフラフラしながら立ち上がると、険しい表情を崩さないリュシーに諭すように話しかけた。
「リ
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