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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
入学編
一科生と二科生
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り合うように、右隣には深紅がいる。
「えぇ、お兄様にお任せするのが一番安心するのよ」
それを後ろから、微笑ましそうに眺めながら深雪が答える。
「少しアレンジしてるだけだけどね」
達也の方は苦笑を浮かべている。
「それだって、デバイスのOSを理解できるだけの知識がないとできませんよね」
「あと、CADの基礎システムにアクセスできるスキルもないとな。大したもんだぜ」
「ふ〜ん。あっ、じゃあ達也君、あたしのホウキも見てくれない?」
「無理。あんな特殊な形状のCADを弄れる自身はないよ」
エリカの提案をあっさりと断る達也。
その割に、エリカは嬉しそうな−−と言うよりは面白そうな−−笑みを浮かべた。
「やっぱりすごいねー達也君は」
「……何がすごいんだ?」
「あの警棒がCADだとわかったことがすごい、と言ってるんじゃない?」
「あっ、深紅も気づいてたんだ」
エリカが嬉しそうに笑いながら、柄の長さに縮めた警棒のストラップを持ってくるくる回す。
「えっ、その警棒デバイスなの?」
美月が驚いたような声をあげると、エリカは満足げにウンウンと頷いた。
「普通の反応ありがと美月。これで全員気づいてたら滑っちゃうとこだったわ」
「でもよ、どこにシステムを組み込んでるんだ?さっきの感じじゃ全部空洞ってわけじゃないよな……?」
レオが訝しげにエリカに問う。
「ブーッ!柄以外は全部空洞よ。刻印型の術式で強度を上げてるの。硬化魔法は得意分野なんでしょ?」
「……術式を幾何学文様化して感応性の合金に刻み、サイオンを注入することで発動させるっていう、あれか?
そんなもん使ってたら、並みの想子量じゃ済まないぜ?よくガス欠にならねぇな。刻印型の術式自体、燃費が悪すぎってんで今はあんまり使われてないはずだぜ?」
レオの的確な指摘に、エリカは驚き半分、感心半分の顔をした。
「流石得意分野。でも残念、もう一歩ね。強度が必要になるのは、降り出した打ち込みの瞬間だけ。その刹那を捕まえて想子を流せばそんなに消耗しないわ。兜割の原理と同じよ……って、みんなどうしたの?」
みんなから、驚いたような呆れたような視線を向けられ、エリカが首を傾げた。
「兜割ってそれこそ、秘伝とか奥義に分類される技術だよ」
「単純に想子の量が多いより、よっぽどすごいと思うのだけど」
全員の気持ちを代弁したのは深紅と深雪。
二人の指摘にエリカが、しまった!というような顔をする。
「魔法科高校では一般人の方が珍しいのかな?」
「魔法科高校に一般人はいないと思う……」
美月の若干天然ボケな発言に雫が突っ込み、その日は微妙な雰囲気で終わった。

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