第十九話 -名家連続変死事件-
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「ようこそ、おいでくださいました。緋勇龍斗様。私、長門家に先代から仕えさせていただいております、武蔵ノ介と申します。以後お見知りおきを」
「これはどうもご丁寧に。この度は長門会長のお誕生日おめでとうございます。海外にいる父に代わりお祝い申し上げます」
「これは、ありがとうございます。旦那様にも直接おっしゃって下さい」
「ええ、勿論。それで、ですがささやかな誕生日ケーキということで30×40cmのアニバーサリーケーキを持参しました。父の料理には遠く及ばないとは思いますが、代理として手ぶらで来るわけにもいかないので事前に連絡させていただいた通りにご用意しました」
「いえいえ!それはとんだご謙遜だ。緋勇龍斗様のケーキを大規模なパーティではなく家族だけのささやかなパーティに饗することができるなど、それだけで大きなプレゼントになりますよ!」
今日俺は、長門グループの邸宅に父さんの代理で来ていた。なんでも平ちゃんのお父さんの平蔵さんが、剣道部の先輩にあたる長門会長に不審な音について調査してほしいとの依頼を受けたらしい。その会話で、お邪魔する日が長門会長の誕生日であることを知り、部には所属していなかったがよく顔を出していて顔見知りだった父さんに何か祝いの物を作れないかという依頼が急遽来た。勿論父さんは母さんと一緒に海外にいてどうしようもなく、俺に代理で行けないかという打診が来た。
特に仕事もなく、長門グループにはまだ呼ばれたことがなかったこともあり俺はその依頼を受けることにした。とはいっても、訪問まであまり時間がなかったのでケーキを作るという事だけを先方に伝えておいた。……結局、平蔵さんには俺が行くことは伝えられられなかったな。
紅葉は、今日は朝から京都で用事があるらしく朝から実家の方に戻っていたので取りあえず急遽仕事が決まって明日帰ることを電話で伝えると、
「浮気とちゃいますよね?」
「俺は二人を愛する気はないし、そんなに器用でもないよ。俺が愛するのは一人だけさ」
「―ばーか」
なんてやりとりがあった。まあ、それはともかくケーキを作っていたので来訪の時間に少し遅れが出てしまったが俺は無事長門邸に到着したというわけだ。
ケーキは玄関から邸内に入ってその場にいたメイドに持ってきてもらったカートに乗せ、厨房に運んでもらった。……警備の人が多いな。
「それでは、旦那様の部屋にご案内します。今だと緋勇たつ「龍斗だけでいいですよ」……それでは失礼をして。龍斗様以外の来客の方がいらっしゃるのでしばしお待ちして頂くことになると思いますがご了承ください」
「……それは大阪府警本部長の服部平蔵氏ですか?」
「え、ええ。その通りでございますがどうしてそれを?」
「平蔵さんなら小さいころから知っています。親戚のおじさんみたいな人なので問題ないと思
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