暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
青年期〜原作開始(〜20巻)
第九話 -ファンタジスタの花、紅葉来訪-
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俺達四人は無事中学生活最後となる三年生へと進学した。料理部は結局10人残り今年もまた新部員も補充で来たので、俺の代で廃部になるなんてことは免れた。
高校ではさらに本格的に依頼を受けていこうと思うので、もしかしたらこれが最後の部活動となる……かもしれないと思うと感慨深いものがある。

そして、体育系の部活の大会が始まる夏になり俺は新ちゃんの都大会決勝の応援をしに来ていた。現在のスコアは帝丹中学2点に対し、相手の奥穂中学が4点の2点ビハインド。後半で残り時間も少ないため、もう負けは決まったと帝丹中学側はあきらめの雰囲気を漂わせていた。だが、

「おお!新一君がカット!!」
「っ!!」

相手のパスをカットし、相手のエリアに切り込んでいく新ちゃん。3人に囲まれそうになった瞬間、2年生FWの水嶋にパスし、水嶋はゴールを決めた!
更に、アディショナルタイムに突入し新ちゃんが今度はゴールを決め、勝敗はPKにもつれ込んだ。
そして……
――――カン!!

帝丹中学最後のキッカーの新ちゃんがゴールを外し、優勝と全国大会の切符を逃した。

それからしばらく経ち、園子ちゃんが新ちゃんが1年の女の子と仲良くしてるのを見たと騒いでいた。丁度、サッカー部の3年VS2年の試合をやると言うので屋上で見学することにした。
「ひどい、水嶋君!女の子にあんな当たり方を!!」
「そうね、ひどいひどい!あ、でもあの子また立った」

どうやら、水嶋はあの子に思うところがあるらしく彼女がボールを持つと強い当たりでディフェンスしていた。しっかし、なんで3年のチームに…ああ部長の外岡が仕組んだのか。あいつバカだけど目端が利くし部員の和を作るのが得意だし3年が抜けた後あの子がいやすくするために今回の試合組んだな。
最初はひどいひどい言っていた女子組は何度倒れてもすぐに起き上がるあの子―サッカー部の声援からして沢村と言うらしい―を見て応援に回っていった。結局、最後に彼女がディフェンスを踏み台にして飛び上がって決めた反則ギリギリのボレーシュートで試合は終わった。

「ねえ蘭?新一君に確かめなくてもいいの?」
「確かめるって何を?」
「何をって……はあ、そろそろ色気づいてもいいんじゃないの?」
「色気づくって?」
「だーかーらー。もう、龍斗お兄様、言ってやってくださいよ?」
「お兄様言うなお兄様と。ま、俺からは新ちゃん頑張れってことだな」
「なによー、龍斗君までそんなこと言ってー」

新ちゃんの春が遠いな。


あの試合があって夏休みを挟み、二学期になった。いつものように3人で登校しているとあの後のサッカー部の様子を前を歩きながらリフティングしている新ちゃんが話してくれた。

「……それで、オレにたりないことを沢村から教えてもらったよ」
「さ
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