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名探偵と料理人
第七話 -世界大会、他色々-
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中学生になったことで俺の両親は今まで以上に家をあける方針にした。入学式前に話し合って、今までは週末には帰ってきていたのをこれからは場合によっては一月ずっとあけたりするようになるということだ。
家族の時間が少なくなることは寂しいがこれまで以上に料理を世界中で振る舞ってほしいという俺の願いを両親が受け止めてくれた結果だ。ただ、一つ条件を提示された。それは両親がどうしてもというときは、テストなどがない限り学校を休んででも来てほしいという事だった。それが海外でも。
別に学校を休むことに抵抗がなかったので俺はそれを承諾し、俺の両親はまた海外に旅立っていった。仲良く手をつないで国際線のゲートに消えて行った二人を見送り、俺は自宅のある米花町に戻ることにした。

中学に進学した俺達幼馴染み四人は、これまた同じクラスになった。担任は音楽担当の松本小百合先生だ。
俺達はそれぞれやりたい部活に入った。新ちゃんはサッカー部、蘭ちゃんは空手部、園子ちゃんはテニス部。そして俺は勿論料理部だ。料理部は俺以外は女子の三年の先輩が四人しか所属していなかった。
部として新入生を最低一人でも確保しなければ廃部になっていたらしい。
先輩たちは流石に料理部に所属しているだけあって俺の両親の事を知っていた。それどころか、俺の事も知っていて俺が入部すると挨拶に行ったらどこぞのアイドルを見たような反応をされた。そのまま部室に案内されると両親が活躍したことを掲載した記事をスクラップしたファイルがあったり、母さんの出したレシピ本がずらりと本棚に並んでいてびっくりした。ちなみに俺もジュニアの大会などに出ていたのでその大会の記事もスクラップしてあって少し恥ずかしい思いをした。

「それで緋勇君。私が料理部部長の三年の外村美香よ。あなたの入部を私達料理部は歓迎します!」
「よろしくお願いします、外村部長」
「それで、なんだけどね……」
「はい?」
「これから歓迎も兼ねてお料理作ろうと思うんだけど緋勇君、これから時間ある?」
「ええ。大丈夫ですよ」
「そう!よかった!!正直に言うと私たちが緋勇君のお料理を食べてみたいだけなんだけどね」
「いえ、光栄です。それじゃあ腕を振るっちゃいますよ」

中一になって暫く経った。みんな中学校にあがって浮ついた雰囲気があったクラスも落ち着いていきみな部活に勉強にと青春を謳歌し始めていた。結局、料理部に入ったのは俺だけで二年が0人の現状、先輩たちが卒業したら俺一人になってしまう問題ができたけどね。

「どう、新ちゃん?帝丹中学のサッカー部は」
「ああ、強豪校だけあって練習も厳しいしやりがいがあるぜ」
「そんな中、MFで一年生レギュラーなんだろ?おめでとう」
「サンキューな。でも試合までにもっと上手くなんねーと。流石に数か月前まで小学生だった
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