暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
幼少期〜少年期
第一話
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さそうね」
「じゃあ、ぼくも準備するー。」

くそう、いつものことだけど皮肉も通じやしない。あと、時間がないのは出会い頭に朝からいちゃついてたからで自業自得だ。
そう思いながら、俺はそのままパジャマを脱ぎテレビの前に用意してあった制服に着替えた(途中母さんが無理やり手伝ってきたけど)。青いシャツに短パン、そして黄色の帽子。どこからどうみても立派な保育園児だ。
そして、8時になり親子3人で家を出た。


「おはよう、緋勇さん」
「あ、おはようございます阿笠博士」
「おはようございます。ほら、たっくんも」
「うん、おはよーございます。阿笠博士」
「うん、おはよう龍斗君」

家の門扉を出ると道路の前で掃き掃除をしている40代前後の男性が挨拶をしてきた。名前からも分かる通り、彼は原作では屈指のお助けキャラである「阿笠博士」だ。なんと、我が家は工藤邸と阿笠邸の真ん前に建っているのだ。しかも周りの家からしてみれば浮いている純和風のお屋敷だ。Fateの衛宮邸を想像してもらえれば分かりやすいと思う。

「今日は朝からお出かけですか?」
「ええ、今日から龍斗を保育園に預けることになってまして。その入園式が今日なんです」
「おお、今日から保育園ですか!確かに、小さいころにできた友人というものが一生の友になることもありますからなあ」
「ええ、たっくんにも同じ年頃の友達を作ってほしくて。それに、保育園にたっくんを預ければ私も龍麻と一緒にお仕事ができますから」
「それでは、「お菓子の女神」も復活ですか!それはまた、世間をにぎわすことになりますのう!!」

そう、俺の母さんも父さんに負けない二つ名を持っていた。それが「お菓子の女神」。母さんは優勝すれば世界一のパティシエとよばれる世界大会に出場し、そこで史上最年少となる17歳で優勝したのだ。(ちなみにそこでは料理人世界一を決める大会も同時に行われており、そこが父さんとのなれ初めの場だったということを絵本のかわりに耳にタコができる程聞かされた。)
俺を妊娠してから今まで育児に専念していたが、俺が保育園に入ることで多少なりとも時間ができるので仕事復帰となったらしい。……まあ、父さんと片時も離れたくないのが本音なんだろうけど。

「それでは、そろそろ保育園に向かいますので。ああ、もしよかったら今日入園式のお祝いを家でするのですが一緒にどうですか?」
「それは……いいですかいのう。わしは嬉しいのじゃが、せっかくの記念日。家族水入らずの方が」
「いえいえ、私たちは料理人夫婦。やっぱり誰かに作ったものを食べてもらいたいですし。なあ、葵?」
「ええ、それに今日はすでに二組お呼びしてますから。おもてなしする人が増えるのは大歓迎ですわ。それに、今日は龍斗のお披露目をしようか……と」
「お披露目?」
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