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Speed Demon −Speed of madness−
第一章 春愁秋思のプレアデス
第一話 突然の出来事
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いつも通りの速さで動いている。
 しかし、何故かいまいち安定して走れず、俺は勢いよく前のめりに転んでしまった。
「うぅ……」
 それでも地面を這う。このまま死ねば、母や妹にだって会えるかもしれない。でも――。
 でも、まだ死ぬわけにはいかない。“あの人”と決着をつけるまでは―。
 俺は立ち上がり、痛む身体を無理やり連れて街を走った。
 学校に逃げよう。
 いや、ダメだ見つかる。その近くの廃ビルなら……。
 そんな思考が巡る中、何かが俺の頬を掠めた。
 振り向くと、いつの間にかスローモーションは終わり、俺がさっき転んだ場所辺りに武装した男が立っていた。
 顔はよく見えない。
 
 乾いた音が響く。
 
「う、うわぁ!」
 俺は必死の思いで地に伏せる。
 すると、銃弾は頭上スレスレを通過する。
 しかし、また後ろから銃声が鳴り響く。
 来る――!
 ところがボロボロの身体はもう言うことを聞いてくれない。
 俺はなすすべもなく背中に銃弾を受けた。
「ぐぅ……!」
 背中の皮膚に、裂けるような痛みを感じる。
 立ち上がる力はもうない。
 俺はうつ伏せのまま、顔を地面につけて気を失った――。
 
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