侍娘-クリスティナ-part3/クリスの師
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クトと見たのか、『何か』はクリスの前に姿をひょこっと見せてきた。
「きゅー!」
姿を見せたそれは……カピバラだった。それも子供くらいの大きさはある。
「なぁ…あれ、カピバラだよな?」
「あぁ…」
地球で見覚えのあるユルさ満載の動物が、何とも予想外の登場を果たしたことにサイトは目が点になる。シュウも反応に困っていたらしく、生返事になっていた。
「わぁ、かわいい!!」
一方でハルナは、思わずそのカピバラを見て思わず声を上げる。
「はは、こいつは私の使い魔のガレットだ。かわいいだけじゃなくて、とても賢いぞ」
ハルナが自分の使い魔をえらく気に入ってくれたのが嬉しかったのか、クリスもまた笑みを浮かべた。
「あ、あの……」
ふと、テファが恐る恐るクリスに向けて口を開く。
「どうした?」
「わ、私も…触っていいですか?」
森の中で幼い頃から暮らしていたテファは、ヤマワラワ以外の動物と戯れた
クリスから許可をもらい、テファもガレットの傍に来て身をかがめ、その整った上に和ら無い毛並に触れている。触れた瞬間、心地よいモフモフ感が彼女の心を満たした。
「はぁぁ…」
これほどの心地よい感触はヤマワラワ以上だった。たちまち彼女はガレットの感触に心を奪われ、対するガレットもまたテファの細く柔らかい指で撫でられる感触が心地よいのか、「きゅー♪」と気持ちよさそうに鳴いた。
「ルイズさんも触ってみます?この子、触るとすごく気持ちいですよ?」
ハルナはルイズも誘ってくるが、対するルイズは少し戸惑いを見せてきた。
「べ…べべ別にいいわよ。動物をめでて和むなんて、公爵家の三女にふさわしくないじゃない!」
「あれ、ルイズさんのお姉さんもたくさん動物とたわむれてたんじゃ…」
うぐ、とルイズは言葉を詰まらせる。本心では触りたい気持ち満載なのに、いつもの貴族であることを言い訳に意地を張っていた。
「そうだよルイズ。クリスも遠慮するなって言ってたし、触ってみればいいんじゃないか?」
「…………い、いいわ。なら、ちょっとだけ…」
サイトからも促され、ルイズもガレットに触れてみる。同然ながらルイズもその感触にハマッたのは言うまでもない。顔に出さないように「ま、まぁまぁね…」とコメントも添えながら。
久しぶりに見たような和やかな光景にシュウも視線を寄せていたが、何を和んでいるのだと自分に言い聞かせ、クリスの方に向き直る。
「……それで平賀、なぜ俺たちの部屋に来た?他国の王女まで引き連れて」
「ち、ちょっと…」
王女がわざわざここへ来たものだから、かしこまった方がいいと想っていただけに、テファはシュウの強気というか、冷淡な態度に内心焦った。ルイズも眉間にシワを寄せた。
「あ〜、せっかくだからさ、あんたにもクリスを紹介してやろうって思ったん
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