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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第七十七話 テレーゼの原始人のお宅拝見
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それが杞憂に終わるのは、殿下が応接室へ入室後の事であった。

午前8時45分、オフレッサー邸に先触れの使者が到着し、
皇女殿下があと15分で到着すると伝えた。
恭しく報告を受けたオフレッサーの姿は普段見慣れた姿ではなかった。

普段であれば、ロックアイスもかみ砕くほどの顎の持ち主のオフレッサーが、
ハンカチで顔を何回も拭きながらジッーと直立不動の状態である。
妻のヴァーリアと娘のズザンナも緊張した趣である。
邸宅前は凄まじい緊張感に包まれていた。

息子のエアハルトのみは未だ幼いため、
乳母が付いて、別棟で待機していた。

午前9時丁度にテレーゼ皇女様が乗った専用車がオフレッサー邸前に到着した。
愛らしい姿で地上車から降りてくる皇女殿下を見て皆が恭しくお辞儀を行う。
そして屋敷の主たる、オフレッサーが皇女様に挨拶を行うのである。

「皇女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく。
我が屋敷へ御臨御いただきこれほどの栄誉はござません、
末代までの誉れとしとう存じます」

皇女殿下がにこりとして。
「オフレッサー、大儀である。今日は大変楽しみにしていたのじゃ頼むぞ」
「御意」

妻と娘を紹介して、息子が未だ小さいため昼餉の時にご挨拶する旨を伝え。
その後、殿下からにこやかに了承の挨拶を返されたのであった。

そうして挨拶が済むと、オフレッサーの案内で応接室へと向かうのであった。
妻と娘は別行動で台所へ向かった。

「オフレッサー、剥製は凄い数なのか?」
「はっ多数有りまする」
「うむ楽しみじゃ」

そう、皇女は言うが、オフレッサーの心の中は不安を残した状態であった。

「此方にございます」
オフレッサーが応接室へ案内すると中には、
多数の剥製と武器類が所狭しと並べられていた。

入るやいなや、皇女殿下が無言になった。
オフレッサーはやはり刺激が強すぎたかと、後悔し始めていたが。

「おーー、これは凄いのー」
皇女殿下の一声が、応接室に響いたのである。
皇女殿下は目を輝かせながら剥製を見て、オフレッサーに質問を始めた。

「オフレッサーこの熊は凄く大きいノー、どうやって倒したのじゃ?」
片付けようかと考えていたグリズリーの剥製を指して殿下が質問してくる。
片付けなくて良かったという安堵と共に、
全く殿下が怖がらないという胆の強さが印象に残るのである。

「はっ、この熊は、アルタイルグリズリーと申しまして、
アルタイル星系に生息している熊でございます。
旧来の地球の熊に比べて生活環境が良いのか大型化しておりまして、
この熊はその中でも特に大型でございます」

下手に永い説明に成ってしまい、殿下が退屈するのではと思ったが。
目をランランと興味津々に話を強
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