暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第六十六部第二章 連合の小国その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「現状に満足していたりだ」
「その他にもですね」
「それぞれの満足の仕方を見出している」
「それぞれの価値観に対して」
「そうだというのですね」
「だから幸福を感じる者が多いのだ」
 割合的に言って連合で最も、というのだ。
「そうなるのだ」
「ですか、では」
「あの国はですね」
「確かに幸せなのですね」
「そうなのですね」
「幸せを感じる感覚は主観だ」
 客観ではなくだ、それだというのだ。
「周りがどれだけ不幸だと思っていてもだ」
「それでもですね」
「自身が幸福だと思えばですね」
「それで幸福ですね」
「幸福とはそういうものですね」
「そして幸福と思えるならばだ」
 その主観によってだ。
「それだけで人生の達人と言えるかも知れない」
「人生を楽しめている」
「だからですか」
「幸福を見いだせる者は人生の達人である」
「そうも言えますか」
「そうかもな、だからだ」
 この考えからいくと、というのだ。
「ブータン人は人生の達人が多いのかも知れない」
「それぞれの幸せを感じられている」
「それ故にですか」」
「彼等は人生の達人が多い」
「そうかも知れませんか」
「少なくともその王は何と言っていたか」
 官僚達にだ、アッディーンは問うた。
「自分自身を」
「はい、望む城を全て築城出来たことに喜んでいました」
「しかも自国の市民に一切負担をかけずにです」
「尚且つ築城を市民達に応援され完成を一緒に喜んでもらい」
「そのことをです」
「一生心から喜んでいました」
「その様です」
 官僚達もアッディーンにその王について話す。
「これ以上はない幸せな人間であるとです」
「よくそう言っていたそうです」
「そしてその幸せを後世の子孫、自国の市民達に残したい」
「そうともです」
「ならばだ」
 その王のそうした話を聞いてだ、アッディーンは述べた。
「王はやはり幸せであったのだ」
「ご自身で言っておられるから」
「だからですね」
「そのブータン王はですか」
「幸せだったのですね」
「そうだったのですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「その王は幸せだったのだ、幸せか」
「国家元首の務めは最大多数の国民に最大数の幸福を保障すること」
「それが務めですが」
「それはサハラでも同じ」
「そうですね」
「そうだ、私は今もそうだ」
 オムダーマンの国家元首である大統領だ、だからこそだ。
「国家元首であるだけにだ」
「全ての国民は無理ですが」
「それでもですね」
「最大多数の国民にです」
「最大多数の幸福を保障しなければなりませんね」
「それが犯罪でなければだ」
 オムダーマンの法律に触れなければだ。
「その限りはだ」
「その国民の幸福を保障する
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ