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提督はただ一度唱和する
鉄屑の勝利
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ゃ、砂でも投げろ!! ここを通しちまったら、後がない!! 死ぬまで戦え!!」
「いっやー、人気者過ぎてダンスもキレッキレッだね! もう観客の視線を釘付けなんだから!!」
「弾薬射耗!! もはやこれまでです!! 生き残ったみなさんは集結!! 全艦、突撃開始!!」
 だが、彼女らこそ誰の意図も関係ない。生まれた意味があるのだ。託された願いがある。あの頃に比べれば、撃てる弾があって、燃料が補給され、浮き砲台にだってされていない。もう、愛してくれた乗組員はいないけど、彼らの残したものが、守ろうとしたものは残っていて、命をかける意味も、戦う意義だって、目の当たりにしたのだ。
「俺が最強だ!!」
「センターは譲らないよ!!」
「もう、置き去りになんかしません!!」
 墓はもうある。ならば、何を恐れることがあるだろう。
 何度だって沈めて見せるがいい。
 いつだって戦い抜いてみせる。
 釧路での死者、行方不明者は併せて六千三百二十七人。本格的な深海棲艦の侵攻を許した事例で、史上二番目に被害が小さかった。海岸線から遅滞戦闘を完遂し、半数以上の犠牲を出しても戦い抜いた陸軍はその戦意と功績を大いに称えられた。
 なお、各都市駐在艦娘は、戦闘開始からかなり早い段階で全滅したものと思われ、その献身は認められども、戦闘全体に寄与した役割は限定的なものに留まるとされた。
 北海道を巡る戦いはまだ、始まったばかりである。
 
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