11話→放課後A機械の国のアリス
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られた服を着る十代前半の姿は、確かに美しかった。
まあ、俺は抱けない女にあまり興味はないが。
正式名称、自立型試作IS『アリス・リデル』
新型機『白騎士』に乗り換えたことにより余ったプロトタイプIS『白』に、束の知識欲とジンのニーズを乗っけたこの機体は、予想以上のジンの歓迎とコミュニケーションにより、最近では、こちらもびっくりするような反応をするようになった。
『お久しぶりです。束お母様。太郎お父様』
「ああ、アリスも元気そうでよかったよ」
この呼び方も、束が好んだ呼び方を学習し、つい先日から呼び始めたものだ。
全く、母娘揃って優秀だよ。
僅かに心に刺さった嫉妬の針を抜きながら、太郎は笑顔で答えた。
「おおっと、いくら親友とはいえ、アリスちゃんとこれ以上近づくのは無しだぜ太郎〜、篠ノ之さんもなあ〜」
と、ここでいつものジンのインターセプトが発生する。
いや、気に入っているのはうれしいんだが、執着心やばくね。
もしクラスメイトがこの姿のジンを見たら別人だと思うに違いない。
そう断言できるほど、ジンの変貌は劇的だった。
まあいい、今回は束がシステム上のチェックをしたいだけで俺は特に用はない。
アリスと束、二人と数度話した後、ジンに声をかけて部屋から出た。
廊下を歩きながら、ポケットに入れたメモをもてあそぶ。
それにしても夜中に呼び出すとは。社長はまともなタイプだと思ったが……
ま、深く考えてもドツボにはまるだけ、それよりも問題は、千冬と戦ってからたぎっているこの体の冷まし方である。
表面上冷静を装っていても、千冬との闘争は想像以上の充足感と興奮をくれた。
こいつは一発、いや何発かきめなきゃ収まらねえ。
(約束の12時まで、5時間程度、何ラウンドか千冬とすましてから行くか)
そう一人ごちながら、太郎は客間の方へ向かった。
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