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麗しのヴァンパイア
第四話

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                  第四話  博士と美女
 天本博士はこの時自動式の車椅子に乗ってそのうえで神戸にいるヤクザ屋さんやチーマー、つまり獲物を探していた。
 だがその博士の目の前に一人のコーカロイドの美女が現れた、黒い十九世紀の絹のドレスを着ている波だつ腰までの金髪と雪の様に白い肌を持っている。唇と瞳の色はさながら鮮血の様に真っ赤である。
 その美女を見てだ、博士はすぐに美女に言った。
「わかっておったわ」
「私が来日したことは」
「既にな」
「感じ取っていたのね、流石博士ね」
「うむ、しかしじゃな」
「私は貴方と戦うつもりはないわ」
 美女は妖艶な笑みを浮かべて博士に答えた。
「このことを伝えに来たわ」
「ではあの魔女達とじゃな」
「私が興味がある相手は知ってるわね」
「美女じゃ」
 博士は車椅子に座ったまま美女に答えた。
「お主と同じくな」
「そうよ、興味があるのは美女でね」
「男には興味がないな」
「戦いを挑んでくるのなら別だけれど」
 それでもというのだ。
「そうでもない限りはね」
「一切じゃな」
「そのことは言っておくから」
「わかった、ではな」
「私と二人の戦いにはね」
「わしは一切干渉せん」
 博士は美女に約束した。
「そしてわしは言ったことはじゃ」
「守るわね」
「そうじゃ、だからお主がわしに向かって来ない限りはな」
 美女は言ったことがそのまま履かsにも当てはまっていた。
「わしも何も」
「それではね」
「好きにするがい、わしも好きにする」
「博士にとっていつも通りのことをするのね」
「実は今また異次元人と揉めておる」
 かなり前に遭遇して戦った彼等と、というのだ。
「そちらに専念する、今は趣味で殺せるならず者達を探しておったが」
「いそうにないわね」
「仕方がないからヤクザ屋さんの事務所に殴り込んでじゃ」
 そうしてというのだ。
「皆殺しにしてくる」
「本当に博士は相変わらずね」
「そう言うお主もな」
「お互い変わっていなくて何よりよ」
「全くじゃな」
 二人でこうした話をしてだった、美女は博士の前から姿を消した。そして博士は自身の言葉通りに暴力団の事務所を一つ壊滅させてから家に帰った。


第四話   完


                 2017・12・13
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