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オズのトト
第五幕その五

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「あの辺りはね。生きものもいない山ばかりでね」
「そうなのね」
「言うならフロンティアだよ」 
 オジョは笑ってこうも言いました。
「だからね」
「あの辺りを探せば」
「うん、絶対にね」
 間違いなくというのです。
「いい移住先が見付かるよ」
「わかったわ、それじゃあね」
「南の山々の方にだね」
「行きましょう」
 ドロシーは皆のリーダーとして決定しました、こうした決断を下すことこそがリーダーの第一のお仕事だからそうしました。
「これからね」
「うん、じゃあね」
「そちらに行くね」
「そうしましょう」
 こう皆に言いました。
「今からね」
「わかったよ、それじゃあね」
「それで夜になったらね」
「テントを出してだね」
「いえ、飛行船を呼んで」
 そしてというのです。
「その中に入って」
「それでなんだ」
「そこで休みましょう」
「飛行船の中で休むんだ」
「飛行船は私が呼べるよ」
 教授がオジョに言ってきました。
「そしてね」
「適当な高さまで降下させられるんですね」
「これを使ってね」
 こう言ってラジコンの操縦機みたいな操縦機を出してきました。
「動かせるんだ」
「そうなんだ」
「うん、私と魔法使いさんはね」
「魔法使いさんが造られて」
「私も操縦を教えてもらってね」
「それで、ですか」
「操縦が出来るんだ」
 実際にというのです。
「出来るんだ」
「だからなんだね」
「こうして動かして」
「その上に入って」
「休もうね、そこにはお風呂もあるし」
 このこともあってというのです。
「くつろげるよ」
「あっ、お風呂あるんだね」
 オジョはお風呂のお話を聞いてお顔をぱっと明るくさせました。
「それはいいね」
「そうだね、普通の冒険ならね」
「身体は奇麗に出来ても」
「普通にお風呂に入ることはね」
「出来ないから」
 だからだというのです。
「それでね」
「お風呂に入られるからね」
「いいね、お家じゃ毎日入ってるよ」
「オジョもお風呂が好きなんだ」
「うん、沢山身体を動かしてね」
 そうしてというのです。
「その後で入るのが好きなんだ」
「身体を奇麗にして疲れを癒す」
「そうすることがね」
「それはいいね」
「そうだよね、身体をたっぷりと動かして」
「後でお風呂に入るとね」
「本当にいいね」
 オジョはにこにことして教授にお話しました。
「だから僕も好きなんだ」
「成程ね」
「僕はオズの国に入ってからだよ」
 トトも言ってきました。
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