暁 〜小説投稿サイト〜
オズのトト
第五幕その二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「この子達がね」
「ああ、やっぱりね」
「ひょっとしてって思ったけれど」
「ドロシー王女と一緒だし」
「だったらね」
「そうだって思ったけれど」
「そうよ、それで貴方達からお話を聞きたいけれど」
 ここでお話を切り出したドロシーでした。
「いいかしら」
「お話?」
「お話っていうと」
「そう、どうしてここにいるのか」 
 このことを聞きたいというのです。
「それでここまで来たけれど」
「移住のことね」
 ここで、です。一羽のドードー鳥が出て来ました。見れば他のドードー鳥よりも随分とお歳を召した感じです。
 そのドードー鳥をです、別のドード―鳥がドロシーにお話しました。
「この方が我々のリーダーでして」
「まあ長老かしらね」
 年老いたドードー鳥は自分から言いました。
「婆さんって言われてるよ」
「お婆さんね」
「そうさ、まあ名前はエマっていうけれどね」
 お名前も言うのでしうた。
「婆さんでいいよ」
「そうなのね」
「そうさ、それでお話って聞いたけれど」
「さっき森で狼の長老さんとお話したわ」
「ああ、権蔵の爺さんだね」
「あの長老さん権蔵さんって言うのね」
「融通の利かない奴だよ」
 ここで怒った顔で言うお婆さんでした。
「全く」
「貴方達は森に移住したいのね」
「そうだよ、前は草原で一緒にいたんだけれどね」 
 それがというのです。
「そこでちょっとね」
「草原で何かあったの?」
「ドラゴンが地下から出て来たんだよ」
「あら、ドラゴンが」
「ああ、千年間寝ていたらしいけれどね」
 草原の下で寝ていたというのです。
「それが急に起きて出て来て」
「その草原はドラゴンさんの縄張りだったの」
「そう、あたし達それを知らなかったんだよ」
「皆の場所だって思っていたのね」
「それで土地の所有権も持っていたって思ったら」
 それがというのです。
「何とドラゴンの土地でね」
「出るしかなかったのね」
「ドラゴンはまた寝るからいいって言ってくれたけれどね」
「やっぱり他の人の土地だから」
「あたし達で話してね」
 そしてというのです。
「出ようってことになったんだよ」
「それでここまで来たんだ」
「近くだったしね」
「それで移住をしようって思ったら」
「森にあの連中がいて」
「今揉めているんだ」
「あたし達としてはね」
 それはとです、お婆さんは言うのでした。
「土地の所有権の問題でね」
「それがなければ」
「そう、あの山は全部あの連中のものじゃないよね」
「うん、そうだよ」
 それはその通りとです、オジョが答えました。
「縄張りでない場所も結構あるよ」
「だから縄張り、誰も所有権のない場所にね」
「入れて欲しいっていうのね」
「そ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ