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とある3年4組の卑怯者
101 連絡網
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・?」
「え・・・!?」
 堀はみどりの質問に動揺してしまった。
「そ、そんな事ないわよ、藤木君は友達だと思っているし、私は吉川さんと藤木君の仲を応援しているわ」
 堀は慌てて誤魔化した。自分も藤木に好意を寄せている事、そして、藤木も彼のクラスメイトの笹山という女子が好きだった事を明かせばみどり悲しんでしまうかもしれないと思い、伏せておく事にした。

 花輪の別荘では、永沢の両親が落ち着かない表情で一夜を過ごしていた。その二人にメアリーが話しかける。
「永沢さん、キット息子さんタチはブジでいます。ソウ信じればきっと助かります!」
「メアリーさん・・・」
「ジツはワタシも、夫がチョウヘイされたことがありました。その時はモウ会えないかと悲しんだこともありましたが、キット帰ってくれると信じていました。そして、サイパンで戦い、無事に帰ってきました・・・」
「そうだったんですか・・・」
「デモその夫はそこで多くの日本人が犠牲になった事に悲しさを覚え、これからは日本と仲良くしていきたいと思い、花輪さんの元で働く事を決意したのです・・・。夫は8年前に亡くなりましたが、そのワタクシに同情してくださった花輪さんの旦那様によってこの別荘で働く事を勧めてくれたのです。夫もサイパンは元々は美しい海と自然のある場所だと言っていました。私はこの海と自然を見てまるでそのサイパンの本来の風景のように思えてくるのです・・・」
 メアリーの話に永沢の両親は涙を流した。

 各務田の所に電話が来た。
「各務田さん、電話で奴の行方を探り出しても知らないと相手にされません」
「誤魔化してんだろ、あの永沢んとこのガキの同級生だ。意味がねえ、押しかけろ!ただし、サツが歩き回り出しているから十分気を付けろよ!!」
「はっ!」
 部下たちは家を出た。

「よ〜し、太郎〜」
「うわ〜ん、うわ、うわ・・・」
 永沢は太郎をあやしていた。
「永沢、太郎君のためにピアノ弾いてあげるわ」
「ああ、すまない、城ヶ崎・・・」
 城ヶ崎はピアノを弾き始めた。太郎は泣き止んだ。
「それにしても僕たちはいつまでこんな生活をしなきゃいけないんだろう・・・?」
 永沢は先の見えない不安に嘆いていた。
「大丈夫よ。パパが警察に連絡したからきっと捕まるわ」
「うん・・・」

 その頃、山根の家に見知らぬ人たちが押し寄せた。
「すみませんが、そちらのお宅に永沢君男って子は泊ってませんかい?」
「え?いいえ、来ていませんが・・・」
 山根の母が応答した。
「ちょっと、あんたら一体何なんだ!?」
 山根の父も現れた。
「いや、こちらに永沢ってとこのガキが隠れているんじゃないかと思いましてね」
「悪いがウチにいるのは息子だけだ!お前らとっとと帰れ!!」
 山根の父は
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