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獣篇T
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 配属先が、まさかのあいつのところだっただなんて!
 困った、マジで困った。


 しかも、ちゃっかし私のこと、下の名前で呼んでたし、
 1番隊、って斬り込み部隊じゃなかった?



 ……あぁァァァァァァッ!嫌だァァァァァァッ!


 だが仕方ない、ここはやり遂げるしかない、
 甘ったれている時間はない。





 そんなことを考えていると、もう食堂に着いてしまった。


_「着きましたよ〜、零杏さん。
  ここが、僕たち隊士たちの憩いの場、食堂です。」


 中を見渡すと、中にはかなり多くの隊士たちが座って、談笑している。


 なぜか少し、彼らがうらやましく思えた。


 山崎(ジミー)先輩のツアーガイド並みの説明を聞きながら、そんなことを考えていると、
 ふと、背後に気配を感じた。

 誰かと思って振り返ると、そこにはMr.バズーカ砲の姿が。


 一瞬で山崎(ジミー)の顔がこわばった。


 だがそれは彼には伝わっていないのか、楽しそうにこちらに話しかける。

_「オイ、零杏じゃねェですかィ。食堂の説明でも受けてんのかィ?」


 内心げっそりな顔を伏せつつ、笑顔で対応する。


_「ええ。そうなんです。新参者ですから、ジ…山崎先輩に案内してもらっていました。」


 仮にも上司になる人だ。今ここで感づかれては困る。



 すると彼は、とんでもない爆弾発言をしてくれた。

_「なんなら、オレが直々に案内してやりまさァ。付いてきなせェ。」



 ジミーは凍った。
 まるで時間がストップしたかのように。

 確かに凍るよな、こんな状況にもなれば。
 私だったら、どうするだろう。


 でもここで断れば、後で何が起こるかは分からない。
 とりあえずなんとかしよう。


_「あの…よろしいのですか?沖田さんのお仕事に差し支えるのでは?」


_「いやオレは、サボるのが仕事でィ。
  という訳で山崎ィ、ポジション交代しろや。」


 目!目から何か出てますよー、Mr.バズーカ砲。
 殺気が…殺気が…


 やられた、山崎さんが焦ってる。

_「ど、どうぞ…じゃ、零杏さん、ぼ、僕はここで。」


 と言って、そそくさとその場を去ってしまった。



_「ありゃりゃ。行っちまってィ。
  じゃ、零杏、行きますぜィ。」

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