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馬鹿兄貴の横暴
第二章
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「俺をな」
「こんなヤンキ―兄ちゃんって思ってないの」
「そうなんだよ」
「何か違うわ、そもそもね」
「そもそも?」
「お兄ちゃん私にやけに言うけれど」 
 それこそ何から何までだ、困ったことがあれば何でも言えだのいじめる奴は許さないなどだ。
 三者面談にも両親ではなく彼が来て担任と将来について自分が強く言う程である。
 そしてだ、日常生活についてもだ。
「悪い友達と付き合うなとかね」
「俺みたいなな」
「自分のことを言うし」
「俺みたいな不良と付き合ったらな」
 やはり自分から言う。
「困るからな」
「そんなに?」
「じゃあ御前俺と付き合いたいか」
「絶対に嫌よ」
 七海は兄に対して即座に断言で返した。
「何があってもね」
「そうだろ、俺みたいな奴は御前みたいな頭も顔もいい奴には似合わないんだよ」
「そんなによくないわよ」
 実は七海は成績もよく顔もいいと結構評判である。
「私は」
「俺が思うにそうなんだよ」
「だからなの」
「不良とか連れて来たらな」
 かつての自分の様にとだ、伸也は言うのだった。
「兄ちゃんがそいつを袋にしてやる」
「空手四段、柔道四段の腕で」
「そうだ」
 どちらもそろそろ五段を考えていて漫画の執筆の傍ら稽古を欠かしていない。
「兄ちゃんは不良だったがな」
「弱い者いじめやカツアゲや万引きはしなかった」
「シンナーも煙草もな」 
 そうしたことは一切というのだ。
「しなかっただろ」
「ええ、絶対にね」
「人の道を外れた奴はな」
 それこそというのだ。
「俺の前に連れて来るな」
「容赦しないのね」
「絶対に付き合うな、御前の交際相手はな」 
 それこそというのだ。
「兄ちゃんの眼鏡に適う奴じゃないと駄目だ」
「そんなの勝手に決めないでよ」
「大事な妹の交際相手だ」
 それならというのだ。
「この俺がじかに見てやる」
「だから余計な口出ししないでよ」
「いいや、絶対に駄目だ」
 伸也はこう言って引かない、そしてそれは現実にそうだった。
 七海も年頃でありそうした相手も出来た、相手は同級生も後藤田大輝だ。少し小柄で穏やかな顔に黒髪が奇麗な真面目な少年だ。
 その大輝がだ、交際しはじめて学校ですぐに七海に言った。
「お家でご家族の人にお話して」
「そしてっていうの?」
「正式にね」 
 家族公認の下でというのだ。
「お付き合いしない?」
「それは大事だけれど」
 七海も真面目な方なので頷く、だが。
 ここでだ、七海は大輝にこうも言ったのだった。
「それうちはお父さんとお母さんだけにして」
「お二人には言わないとね」
「違うの、うちお兄ちゃんがいるけれど」
「お兄さんにも言わないと」
「駄目よ」
 即刻だ、七海は
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