暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜 日常風景のショートストーリー
士騎兄妹の休日 明日夏篇
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 これは、俺、士騎明日夏のとある休日の話であった。

「う〜ん♪ 久々に肉体で活動できるぜ♪」

 俺の視界内で、俺が嬉々とした表情でいまの言葉を口にした。
 いきなり何を言ってるのか混乱したかもしれないな。端的に言えば、現在、俺の肉体の主人格がドレイクになっているのだ。
 なぜ、このようなことになったかというと、いまから数日前、イッセーの家への部長のホームステイ宣言よりも前に遡る。
 イッセーがライザーを倒し、晴れて部長を取り戻せてめでたしめでたし──とはいかなかった。
 イッセーはライザーを倒すために、一時的な禁手(バランス・ブレイカー)の力を得た。その代償として、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』に宿るドラゴンに自分の左腕を差し出したのだ。結果、イッセーの左腕はドラゴンの腕という異形のものになってしまった。
 イッセー本人はそのことに対する後悔も左腕への未練はないようだ。とはいえ、そのままの状態では、普段の生活がままならないということで、副部長とアーシアが魔力によって腕を元の姿に形状変化させたのだが、一時的な効果しかなく、すぐにドラゴンの腕に戻ってしまったのだ。そこで、オカ研総動員で元の腕に戻す方法の模索を始めた。
 そして俺は、ドラゴンのことならドラゴンに訊くのが一番手っ取り早いだろうということで、リスクの大きさを覚悟しながらドレイクからイッセーの腕を元に戻す方法を聞き出した。結果、イッセーの左腕は元に戻すことはできなかったが、定期的にある方法を行うことで、外見だけは元の腕に戻すことはできた。
 そして、その情報料として、今日一日だけ、ドレイクに俺の体を明け渡すことになったのだ。
 むろん、このことは誰にも言っていない。余計な心配をかけるわけにはいかないからな。
 ちなみに、俺の人格は神器(セイクリッド・ギア)内に存在している。以前、ドレイクが俺の肉体を奪おうとしたときは、自分の人格が消えかける感覚があったが、今回はそういうのは感じなかった。あのときはドレイクが俺の人格を無理矢理に上書きしようとしたからそう感じたからで、今回は両者合同で人格を入れ替える要領でやったため、そのような感覚は感じなかったわけだ。いまの俺の視界に映る光景は、普段、ドレイクが見ている光景ということになる。

「安心しろよ。今日が終わるころにはちゃんと返すからよ」

 いまいち信用に欠ける口調でドレイクは言う。
 そっちも心配なんだが、正直、俺は別のことが心配だった。それは、こいつが俺の体で起こす行動だ。
 どんな行動を起こすか、不安でしょうがない。

「さてと、んじゃ服借りる──って、お前の体だから借りるってのは変か?」

 そんなことを言いながら、ドレイクは俺の部屋のクローゼットを開ける。

「・・・・・・しっかし、
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