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東方奈落変
プロローグ
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「四季様、裁判の日程が決まりましたよ」
「四季様、この書類にサインしてください」
「四季様、シフトの件なのですが」
緑髪の閻魔は嘆息した。
部屋になだれ込み、止めどを知らない大量の部下が列をなして指示を待っている。
閻魔、四季映姫・ヤマザナドゥは、嫌気を噛み殺して一人一人丁寧に対応していた。
いつも過剰労働気味であるが、この時期はとりわけ仕事が多いのである。
この時期、今は真夏の中旬である。
地獄の門が3日間だけ開き、死者が故郷に帰ることを許される、特別な日の直前。
そう、お盆を控えて、是非曲直庁はごった返していた。
この3日だけは地獄も休みになるため、休み前に仕事を片付けたい死神や鬼は、一斉に閻魔を訪ねるのである。
その列の中に一人、
「あ、四季様。ご苦労様です〜」
赤髪をトンボでツインテにした、赤目の死神が書類を持って訪ねてきた。
「あら、小町。
あなたが仕事をしてるなんて、私幻覚でも見てるのかしら…」
「会っていきなりきつめの冗談…w
いや〜もうすぐ休みですからね。気合いも入りますって
四季様は今年も仕事で?」
「いや、今年は秤華にシフトを任せました。
久々にゆっくり出来そうですね」
「ほぉ〜それは何よりです。
休みの間は何するつもりなんです?」
書類を手渡しながら、小町は何気なく聞いた。
「白玉楼を訪ねるつもりです。
何でも博麗神社でお祭りをやるそうでね。
幽々子さんと一緒に行ってきます」
「ほぇ〜、四季様も博麗の宴会ですか…w
てっきりそういう祭り事は嫌いだと思って
ました」
「祭りは人が集まるし、浮かれた連中が多くなるでしょう?」
「あっ…(察し)」
「説教の腕がなるわね」
映姫の顔は期待でテカテカしていた。
(この人、休日の宴会の席でも説教すんのかよ…。場所変わっただけで普段とやってること変わんねぇじゃねぇか…)
と、小町は心の中で突っ込んだ。
「ところで小町」
ハンコを押しながら、映姫は満面の笑みで聞いた。
「な、何でしょう四季様?(嫌な予感)」
「あなた、さっき四季様『も』と言っていたけれど、あなたも宴会にでるつもりでは無いですよね?」
「え、……は、はい…でるつも………」
(しまったァァァァァァァァァ)
「普段からサボってる死神に休みはないですよ?お盆は行く人も帰る人も居るのだから、船頭は沢山必要でしょう?」
「し、シフトがありますし…」
「問答無用。サボったら仕事4倍ですよ?」
映姫の笑顔の後ろに、ゴゴゴゴゴと凄みが増した。
「四季様の鬼!、薄情!、人でなし!(泣)」
「閻魔だもの(やまを)」
むしろ鬼の親玉だった。
そこへ、
「小町さん、早くしてくださいよ!」
列の後ろの鬼
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