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星河の覇皇
第六十六部第一章 新兵器その十九
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「なりますか」
「そうだ、しかしだ」
 ここでだ、クリシュナータはこうも言った。
「彼についてはだな」
「はい、ヒンズー教徒ですし」
「資産家の家の出身ですが」
「ですがそのカーストは」
「どうも」
「シュードラだ」
 即ち平民階級だというのだ、奴隷になるが実際はシュードラは平民と言うべき立場だ。カーストの中に入っているからだ。
「カーストは高くないな」
「むしろ低いです」
「カーストの中にはいますが」
「しかしです」
「シュードラですので」
 例え家が資産家で資金力も備えていてもだ、その階級はというのだ。
「それで高位カーストからはです」
「支持があまりありません」
「特にバラモン階級からは」
 大きく四つに分けての最上位にある彼等からはというのだ。
「支持が薄いです」
「そこがネックであり」
「今後も影響しますが」
「それでもですか」
「彼が青年会会長になり」
「それからもですか」
「彼は総裁候補だ」
 現総裁としての言葉だ。
「私も期待している」
「彼にはですか」
「将来我が党を背負う者だと」
「その様にですね」
「思われていますか」
「そうだ、彼ならばだ」
 まさにというのだ。
「我が党を、そしてだ」
「このマウリアもですね」
「国家主席としてまとめられる」
「治められる」
「そこまでの人物になるというのですね」
「確かに若い」
 若いだけに経験は乏しいというのだ、政治の世界も経験が大きくものを言う。だからこそ老練という言葉は政治の世界でもよく使われるのだ。
「しかしだ、経験を積めばだ」
「そのうえで、ですね」
「彼はより成長していく」
「そうした人物だとですね」
「総裁も見ておられるのですね」
「シュードラだからといって選挙を経ずに私が総裁の権限で他の者を会長に任命する」
 青年会会長にというのだ。
「確かに党総裁の権限では可能だが」
「それはしない」
「恒例に任せる」
「そうだというのですね」
「これまでもシュードラ出身の青年会会長は多い」
 彼の率いる政党でもというのだ。
「何の問題もない」
「そういうことですね」
「高位カーストの対抗馬もいますが」
「それでも」
「彼か」
 その高位カーストの対抗馬についてはだ、クリシュナータはこう言った。
「会長よりも副会長タイプだ、もっと言えば幹事だな」
「根っからの党人派ですし」
「リーダー向きではない」
「調整能力に優れているので」
「だからですね」
「彼は幹事長、議会の院内総務だ」
 そうした役職が合うというのだ。
「政権では官房長官だな」
「リーダー向きではないですか」
「どうにも」
「能力はそちら向きであるうえに前に出るタイプではない」
 自分がそうする
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