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儚き想い、されど永遠の想い
171部分:第十三話 運命の告白その十四
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第十三話 運命の告白その十四

「それは是非共ですね」
「子供の幸せを願わない親なぞ」
 真理の父が言った。言葉は毅然となっている。
「いはしません」
「そうですね。それは私もです」
「先生もですか」
「私にも子供はいます」
 そのことはよく知られていた。政界、官界に強い影響力を持っている彼のことは日本においてよく知られている。だからそうしたこともだった。
「そして孫もです。今度は曾孫もできました」
「曾孫さんもですか」
「そうなのですね」
「はい、その子供も孫も曾孫もです」
 話はそこまで至るのだった。
「全員幸せになって欲しいと考えています」
「自分の子供達だからですね」
「それはなのですね」
「はい、そうです」
 それが理由なのだった。
「是非共です」
「だからですか。今我々は」
「動かなく満足している」
「だからですね」
「それでなのですね」
「そうです。そしてです」
 さらにあるというのだ。二人が動かず満足している理由はだ。
「御息女を幸せにすると誓う彼ですが」
「その八条家の三男」
「あの若者ですか」
「彼はどうなのか」
 義正はどうなのか。伊上はそのことも問うのだった。
「今ここで彼を見てどう思われますか」
「八条家の者です」
 真理の母がこう答えた。
「それが事実です」
「否定できませんね、そのことは」
「はい、どうしても」
 ここでは忌々しげに言うのであった。
「ですが」
「ですが、ですか」
「それでも。ここでの言葉と行動を見ますと」
「動けず。満足されましたね」
「私とて白杜家の棟梁の妻です」
 自負ではなかった。これまでの経験について言う言葉だった。
「多くの方を見てきました」
「そうしておわかりになられたのですね」
「その人がどういう人なのか」
 わかるようになったというのだ。
「ですから」
「今ここにおられる」
「後で。日をあらためて」
 真理の、彼女の母としての言葉だった。
「あの方には御会いしたいです」
「わしもです」
 そしてだ。父も言うのだった。
「そうしたいと思っています」
「わかりました。それではです」
 そこまで聞いてだ。伊上はようやく満足した顔を二人にはじめて見せた。
 その満足した顔でだ。その二人に話した。
「その時のことを楽しみにしておいて下さい」
「これで最後の荷が下りました」
 真理の父は微笑んで。それで伊上に放した。
「最後の娘によき伴侶が見つかったのですから」
「そうですね。これで」
 母も言う。夫に続いて。
「あの娘も」
「これでいい」
 父としてだ。また言うのだった。
「全てはこれでいいのだ」
「わかりました」
 妻は夫のその言葉に頷いた。
「では私もまた
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