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フルメタル・アクションヒーローズ
第186話 良いも悪いもロリコン次第
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委ね、将軍につかみ掛かろうとした俺は――喉の奥から込み上げる吐き気に襲われる。そして、ふらついたところを救芽井と矢村、四郷の三人に支えられながら、咄嗟に口に当てた両手には――赤い液体が花のように広がっていた。

 ……滞在費が足りないなんて、口実だ。そんなもん伊葉さんにたかれば、いくらでも手に入るはずなのに。
 結局のところ、不完全な人工臓器で辛うじて生かされている程度の俺など、相手にできないということか。それで、将軍の判定勝ちで終わりにしようってのか。
 ――そんな馬鹿なことが、あるか!

「ゴホッ、オゥッ……!」
「龍太君っ、動いちゃダメよ……お願いだから、ねっ?」
「先輩、しっかり……」
「あうぅ、龍太、龍太ぁ……」

 救芽井は俺の背中を摩りながら、優しく諭すように語りかけて来る。俺をリラックスさせようと必死に笑顔を作っているようだが――強張った顔と、背中の手から感じる震えを隠せるだけの余裕はないらしい。
 四郷も俺の胸を撫でて落ち着かせようとはしているが、たどたどしい手つきを見るに、彼女も動揺を隠し切れていないと見える。
 一方、矢村の方はそういう「形」を作れるだけの余力もないらしく、大粒の涙をとめどなく流しながら、懸命に俺の口元を紙で拭っていた。
 「誰かを助けに行くため」のレスキューヒーローがこんな腫れ物扱いじゃあ、確かにもう一度戦おうなんて意思はなくなっちまう……かも、な。

 ――だけど。それでも、だ。

「ハァッ、ハッ……お、俺を誰だと思ってる。誰だと思ってやがる。あんたが勝てなかった瀧上を倒した、『救済の超機龍』なんだぜ。こんなもん、ちょっと休んで治したらちょろいもんさ」
「その『ちょろい』という怪我は、最新鋭の医療システムを以って、一ヶ月以上もの時間を掛けて集中治療を行っても癒えぬものなのか? 貴殿の人となりはそれなりに聞き及んでいるつもりでいたが、これは想像以上だな」
「ハッ、褒めてるんだかバカにしてるんだか」
「褒めているともさ。貴殿が我が国の兵ならば、勲章二つでも足りない程にな。それゆえに私は、その身を犠牲にし過ぎる精神を良く思うことが出来んのだ」

 将軍はあくまで、俺と戦うことを避けるつもりでいるらしい。
 ……確かに、今の俺じゃあまともな勝負を成立させることも難しいだろう。でも、だからって、こんな終わり方ッ……!

「さて……カズマサ殿。イチレンジ殿に重傷を負わせた、あの鉄骨の元凶――以前聞かせて頂いた人物に間違いないのか?」
「うむ。既に彼女によるものと思しき情報は出揃っている。この町に潜伏している可能性も高い」
「――エルナ・ラドロイバー、か。真に討つべき敵が、ようやく見えたということだな。我が国が消え行く前に是非、私にも一矢報いさせて頂きたい」
「気持ちは尤も
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