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儚き想い、されど永遠の想い
13部分:第一話 舞踏会にてその十
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第一話 舞踏会にてその十

「ロミオとジュリエットでは」
「バルコニーにですね」
「うん。ジュリエットが出て来たね」
 その話になった。そのシェークスピアのだ。
「あの場面はいいね」
「そうですね。浪漫ですね」
 義正もそのバルコニーを見上げて言う。
「あの場面は」
「若しもだよ」
「若しも?」
「バルコニーに美女が出たら」
 紳士はこう義正に話す。
「ジュリエットが出て来たら」
「その場合はですか」
「君はどうするかな」
「そうですね」
 そう言われるとだ。義正はロミオに一瞬だが感情移入してからだ。そのうえでこう話すのだった。
「その場合は。おそらくは」
「恋に落ちるんだね」
「そうなります」
 これが彼の言葉だった。
「このバルコニーを見ているとそうした気持ちになります」
「やはりそうか」
「はい、若しかして」
 ここでだ。彼はこんなことを言った。
「下から見上げることに何かあるのでしょうか」
「君主は上から部下を睥睨するけれどね」
「それの逆ですか」
「逆になる。それでかな」
「では美女は君主ですか」
 義正はふとだ。こんな考えを頭の中に思い浮かべた。そしてそれを言葉にしてだ。紳士に対して言ったのである。そうしたのだ。
「男は臣下であり」
「いや、美女は君主ではないね」
「それは違いますか」
「君主は恋愛だよ」
 それだというのである。
「つまりバルコニーに見るものは」
「君主ではなく恋愛ですか」
「恋愛を抱いているからこそ」
「バルコニーに美女を見るのですか」
「恋愛をね」
「そういうことですか」
 ここまで話してだ。妙に納得する彼だった。
 そしてだ。その納得する顔でだ。また紳士に述べた。
「では僕は」
「君は?」
「あのバルコニーに恋愛を見ましょう」
 こう言うのであった。
「そうするとしましょう」
「ロミオの様にだね」
「恋愛の臣民になりますか。それもいいですね」
 今度は微笑んだ顔になってだ。そのうえでの言葉だった。
「陛下の臣民であると共に」
「二君には仕えずというけれどね」
「ですが恋愛は別です」
「陛下はこの世の君主であられ」
「そして恋愛は心の世界の君主です」
 そうした意味でだ。別々のものだというのだった。二人は話をしていてそのことがわかった。恋愛とはどういった君主であるかをだ。
「では、今はですね」
「舞踏会に戻るかい?」
「そうさせてもらいます。少し酔いたくなりました」
「葡萄の美酒にだね」
「いいものですね。あれは」
 ワインのことだ。義正はその酒が好きになっていた。伊太利亜からの客に勧められ飲んでいるうちにだ。好きになったのである。
 そしてだ。紳士にもだ。顔を向けて言うのであった。
「そ
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