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フルメタル・アクションヒーローズ
第165話 無断出動と開幕タックル
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ぁ。予感が当たる前に着鎧も解けちまったし、一体何枚の始末書を書かされるのやら……。
 つーか、こんな状況じゃ予感が当たったとしても対応しきれねぇ。何をやってんだ俺は……!

 色々な思いが脳内を駆け巡り、俺は思わず公園の中心で頭を抱え、うずくまってしまう。――と、とにかくすぐに部室に戻らねぇとッ!

 そう思い立ち、両足に力を込めて素早く立ち上がった――その時。

「い、いたっ……! とうとう見つけたぞっ! テンニーンの偽物めえぇっ!」

 背後から、やけに幼い声色の叫びが突き刺さってきた。……な、なんだ? 偽物?
 そして、何事かと振り返った俺の瞳には――見知らぬ顔の「少年」が映されていた。

 年齢は恐らく八歳か九歳くらい。少女と見紛うくらい美しく整った顔立ちや、腰に届く程の焦げ茶色のロングヘア、矢村より少し濃いくらいの褐色肌……。少なくとも、この町の住民ではなさそうだ。
 顔だけ見れば将来有望な美少女のようにも見えるが、真っ平らな胸――そして、男物の短パンやTシャツを着ているところを見るに、恐らく女子ではないのだろう。
 髪さえ短く切れば、どこから見ても立派な「日に焼けたスポーツ少年」になれるというのに。親は息子の髪を切ろうとは思わなかったのだろうか?

「えーと、君は……?」
「へんっ! ワーリが戦うまでもねぇっ! お前なんか、このオレが今すぐ成敗してやるぜ!」

 ――それにしても、この子は一体どこから来たのだろう? 隣町か?
 いや、それよりも「偽物」って何だ? 俺を誰かと間違えてるのだろうか……?

「行くぞジャップ! うぉおぉおーッ!」

 そんな俺の疑問が解消される間もなく、少年はいきなりこちらへ向かって、頭から突っ込んで来る。まるで美少女のように、艶やかなロングヘアを靡かせて。

 な、何なんだよこの子は……?

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