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ラピス、母よりも強く愛して
14僕の学校も戦場だった
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火星政府軍には規律など存在せず、争いだけが拡大していった。
 反政府組織には、どこからか単発の使い捨て兵器、自爆用の爆薬、役に立たない簡単に壊れるライフルが供給され、火星政府軍を倒せない程度に大量に供給された。
 当然地球軍、火星政府軍にも安くて簡単に持ち運びができて、いたずらに市民、棄民を射殺できる兵器が配布され、狩りをするように棄民を射殺して遊び、車や飛行機械から反政府組織と「思われる者」を落として遊ぶ娯楽が流行った。

「お〜い、アキトッ、政府軍に投石しに行こうぜっ?」
 クラスのスクールカースト上位の者は、今日の英雄になるために、投石数、兵士への加害の数を競い合い、参加もしない奴は臆病者、仲間じゃないと差別されていた。
「だめよアキト、あんなのと一緒に行っちゃだめ」
「うん、お兄ちゃんは危険な遊びに参加しちゃいけないわ」
 自分を慕う二人に止められ、自分を養っているラピス母にも迷惑を掛けないよう、投石には参加しないアキト。
「ああ、ゴメン、せっかく誘ってくれたのに、俺は行けない」
「なんでえっ? ママのオッパイが恋しいのか? 女どもに押さえ付けられて恥ずかしくないのかっ? 裏切り者っ! 地球人っ!」
「何だとっ!」
 この頃には「地球人」と言うのは十分差別用語で、こう呼ばれて殴りかからず、ニヤけているような男はスクールカースト最低のナード決定、毎日イジメられ、小突き回されて過ごすのを甘んじて受けなければならない。
「だめよ、今夜の行動に支障を来すわ」
「ええ、今日は空港に自動機械が到着する日よ」
 悪魔の笑顔を見せる二人に捕まえられ、中学生になったかと思われるアキトは、冷静さを取り戻し、クラスメイトを送り出した。
「ああ、そうだったな。おい、お前らも今日は早く帰れよ、空港には近寄るな、絶対だぞ」
「何いってやがるっ、臆病者っ、男女っ、マザコン野郎っ!」
 クラスの男子数人は、子供らしい勇敢さと潔癖さ、冒険心と下らない見栄に動かされて下校して、通学路にいる政府軍に投石しに行った。

 ラピスの家には中古のアーマードトルーパーが3機あった。過去にバトリングだとか、建設機械、農業機械として使われたボロに見えるそれは、ウェザリングされているだけで、タクティカルアーマーやコンバットアーマーより強力で、初心者用に行動時間無制限、残弾数を気にしないで射撃できるイージーモードに設定されていた。
 昼に遊び終わってラピスやアイちゃんと「寝た」後に、夜に起き出して夜遊びをする。
 どこかの豆腐屋の息子より低学年から、ラセーヌの星とか怪傑ゾロだとか、ロビンフッドのような活動をしているアキト。
 そんな危険な行いをラピスも母も一切禁止せず、アキトが思った通り、欲しいものは全て与え、欲しい知識は全て叩き込んだ。
 軍の無線の盗聴
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