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ラピス、母よりも強く愛して
07ユリカママ
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胸まではだけられスリスリされ、体温に異常がないか、心拍に雑音がないか十分に調べ上げ、体全体に傷一つ無い状態も確認し、今日の血液サンプルから肝臓や腎臓にも異常が無いか、唾液の状態からも健康状態を調べられる。
 これだけの検査を毎日実施するほうが異常である。
「今日はユリカさんのママが目を覚ますの、お見舞いに行きましょう」
「えっ、ほんと?」
「昨日の夜、二人で忍び込んで、お薬飲ませたの、だから今朝には治るはずよ」
「ええ〜、なんでつれてってくれなかったの、ずるいや」
「だって、見つかったら叱られちゃうから、アキトにそんな事させられない」
 もう自分も上を脱いで、肌と肌を合わせて足を絡ませ、アキトの胸に「の」の字を書いているラピス29号。
 もし圧入機が接触してユリカが死んでも「事故」で済むが、アキトに触れさせるなど許されない行為であった。
「う゛う゛んっ」
「「あっ」」
 そこで部屋に入って来て咳払いをするアキトの母を見て、二人は急いで身支度を始めた。

 朝早くミスマル家の呼び鈴が鳴り、身支度を終えたラピス達がユリカを呼び出した。
「お嬢様、ラピスさんとアキト君がいらしてますよ」
 勿論、このメイドロボもラピスの手先で、ミスマル家を監視するために働いている。
「えっ?」
 昨日はあれから、なかなか寝付けずに寝坊したユリカ。あれが現実だという証拠はなく、母が目覚めると言われたのも、期待しすぎないように自分の夢か願望だと思うようにしていた。
 ラピスとアイちゃんからの陰湿なイジメ、虐待、近所の子供からの仲間はずれ、誤情報により別の日に集合場所に呼ばれる、「ぼくらの」みたいにミミズを食べさせられる、などの行為によってこのユリカは、不幸のズンドコな生活、超マイナス思考の少女に育っていた。
「さあ、9時から面会時間よ、行きましょうか」
 今日はアキトも連れて来たラピスだが、ユリカが余計な事を言わないよう監視するのと、感謝されtお礼を言う所をアキトに見せる為らしい。
「おはよう、ユリカ、きのうラピスとびょういんにしのびこんだんだって? それで今日、ユリカのママが目をさますって聞いたんだ、行こうよ」
「え? まだわからないの、きのう、おくすりを……」
 アキトがいる前では本当のことが言えず、しきりにラピスの顔色を伺っているユリカ。
 その敵はいつも通り冷たい目で見ていて、ユリカの母が治る期待の笑顔など、1ミリも見せていなかった。
「じゃあ、行きましょうか? ジャンプ」
 子供たちは、ボソンの輝きを放って消え、病院でラピスたちが管理している部屋に出現した。
(ラピス29号、病院に到着しました、CICよりのユリカ母の再起動を申請します)
(了解、CICよりユリカの母へ起動信号入力、人格モードノーマル、常時監視機能オン、ユ
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