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とある3年4組の卑怯者
85 緊急学級会
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 入江小学校の3年4組のクラス。怒りの形相を剥き出しにしている丸尾が教卓の前に立っていた。
「今日の朝の会は緊急学級会を開きます。ズバリ、藤木君、起立してください!!」
「は、はい・・・」
 藤木は丸尾によって起立した。
「貴方はさくらさんと土橋さんと浜崎君とそしてこのワタクシに不幸の手紙を送りましたね!?」
「は、はい・・・」
 藤木は体を震えさせながら答えた。丸尾もまた怒りで体が震えていた。そして教卓を拳で叩いた。
「何故に、貴方はそんなことをしたのですか!!?許しませんよーーー!!!かーくーごー!!」
 丸尾は怒り狂った。藤木は丸尾の怒りに圧倒された。
(ひ、ひい〜、助けて〜!!)
 藤木は恐ろしくなった。しかし、誰も藤木に味方する者はいなかった。
「はい」
 まる子が挙手した。
「さくらさん・・・」
「私も昨日はさんざん気にしました。お父さんはそんな手紙出す人は大バカだと言っていました!」
 まる子はそう言って座った。藤木は泣き出してしまった。
「う、う・・・ご、ごめんなさい、俺、自分の所に・・・不幸の手紙が来て、それで、不幸が来るのが怖くて、うう、うう・・・、出してしまったんです・・・うう・・・!!」
「まあ、まあ」
 その時、戸川先生が介入した。
「先生、ズバリ甘やかしすぎでしょう!」
 丸尾は戸川先生の対応に抗議した。しかし、戸川先生は教卓の前に立つ。
「藤木君、もう座ってもいいですよ。丸尾君も席に戻ってくださいね」
 丸尾は気に食わずに自分の席へと退いた。藤木は着席後も泣き続けた。
(藤木君、あんな酷い事する人だなんて思わなかったわ!もう顔も見たくもない!!)
 リリィは藤木への怒りに満ちていた。
(藤木君・・・、じゃあ、昨日は不幸の手紙の事でそわそわしてたの?!そんな陰険な事するなんて酷いわ!!)
 笹山も複雑な表情をしていた。戸川先生は皆に不幸の手紙についてのコメントをする。
「藤木君は自分の所に不幸の手紙が来て気が動転してしまったんですね。不幸の手紙が来たら気にしないですぐに捨ててしまうのが一番ですよ」
「はい、わかりました・・・」
「皆さんも不幸の手紙が最近出回っているようですが、信じないようにしてくださいね」
 こうして戸川先生の寛大な措置によって授業に入った。

 みどりと堀は矢部や麦田など他の女子達とテストに出る範囲の確認をしていた。
「ここが出てきそうね」
「私、この漢字上手く書けるか自信ないわ」
 今までのみどりならこうやって輪の中に入る事は出来なかっただろう。しかし、堀がいつも皆と打ち解けられるようにしてくれた。その為、内気になる事もなかった。そしてみどりも自分の意見を言おうとする事ができた。
「私、すごい勉強しました。この漢字はこう覚えましたね・・
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