暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第81話 今日は最後に見学会、そして……
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てたみたいですけど」
「基本的なことはウチのロボットが済ませてるわよ。料理、洗濯、掃除、そして開発作業……それら専門のロボットが、いつも頑張ってくれてるわ。住んでる人間は――私達姉妹を入れても、たったの三人ね。今なら、伊葉和雅さんも泊まりに来てるわよ」
「ほとんどロボットが!? しかも住んでる人間が三人だけ!? ――つか、伊葉さんも来てたんだ。姿が見えなかったけど……」
「今は最上階で、ウチの同居人と話し込んでるところよ。昔からの知り合いだからね」

 十年前の総理大臣と知り合いって、どんな関係だよ……なんかいろいろと気掛かりなことばっかりだなぁ。こんだけだだっ広い研究所に、三人しか人が住んでないって話も信じがたいし。

 そういえば、俺達が研究所の入口を潜るとき、やたらガタイのいいお兄さんとすれ違ったことがあった。あの時は周りをキョロキョロと見渡してたせいで、人相こそ見逃してしまっていたが、多分あの人が所長さんの云う「同居人」なんだろう。
 所長さんが言うには、俺達の荷物を運んでくれてたらしいし、地上に上がったらちゃんとお礼言わなくちゃな。

「しっかし、ホンマにロボット工場ばっかりやなぁ。かれこれ十階分くらい降りよるけど、ずっとおんなじ場所ばっか見よる気がする……」
「……最下層の手前の階くらいまでは、ずっと似通った光景が続く……」
「どんだけ続くんやソレ!?」

 この研究所の、異様なまでに連続する景色を前に、矢村が悲鳴を上げる。――無限ループって怖くね?

「それはそうと、四郷所長。そろそろあなた方の最高傑作にお目にかかりたいところなのですけれど? さっきからずっと同じような工場を巡ってばかりではありませんか」

 すると、何回も似たような場所を見せられてばかりの現状に業を煮やしたのか、救芽井がチクリと刺すような台詞を吐いた。その最高傑作がすぐ傍で歩いているのかと思うと、当の本人の反応が怖いな……。

 いずれ知られることなんだろうし、隠す必要も本当はないのかも知れないが、四郷本人からの許可を得ないままベラベラと暴露してしまうのも忍びない。俺は相変わらず仏頂面な眼鏡少女に目配せしつつ、素知らぬふりをした。

「ごめんなさいね。そっちのことはあらかた知り尽くしてるのに、こっちのことは何も知らされてないっていうのは、私から見てもズルイことだとは思うわ。だけど今日はもう遅いから、ウチの研究所の簡単な概念だけでも知ってもらおうと思って、ここまで案内させて貰ったの。私達の手札は、明日の午前中に披露する予定よ」
「……わかりました。では、コンペティション前の情報交換は、明日以降に延期ということですね?」
「ええ。と言っても、あなた方の手札――着鎧甲冑のことは大体把握してるから、基本的にはこちらの一方的な発表会になる
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