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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
12話 お話と花園で
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 あれから、簡素な食事とデザートにチーズケーキを食べ、シリカたちは予約した部屋に上がった。装備を解除し、どさりと固いベッドに倒れ込む。そのベッドは、今日はやけに広く感じた。

 いつもはピナが一緒にいて、抱き枕代わりにして寝付くのがいつものスタイルだった。8層で初めてピナと出会い、そしてテイムした日が頭をよぎり、再び涙がにじむ。

 結局、あれから寝ようと頑張ってみたが、寝ようと思えば思うほど目が冴えて、眠れる気配さえしない。そっと首を傾けると、隣の部屋とこの部屋を隔てる壁がある。その向こうには、リアがいる部屋だ。

 シリカにとって、リアはこの世界で初めて心を許してもよいと思える人だった。シリカは一人っ子だが、お姉ちゃんがいたらこんな感じなんだろうなという、理想の人だ。尚且つ、今までシリカが見てきた女性の中で一番美人で、ものすごく強くて、さらにツカサさんみたいな超が付く程かっこいい彼氏までいる。

 それでも、そんなことは全く鼻にかけてないリアに対して嫉妬心は一切なく、あるのは憧れのみ。いつか、あんなふうな女性に慣れたらいいなあとシリカは思ってしまう。


 気づいたときには、ベッドから降り、自分の部屋の扉を押し開けていた。色々、彼女と話してみたかった。彼女が今まで何をして、そして何を思ってきたのか。

 リアの部屋を数回ノックすると、すぐにリアの声が聞こえ、ドアが開いた。

「あれ、シリカ。どうしたの?」
「あ、えっと……」

 しかし、ここで一つシリカは自分が大切なことを忘れていることに気が付いた。リアの後ろには、ベッドに腰を掛け、ウィンドウを操作している人物がいる。ツカサだ。

 考えてみれば、二人は恐らく付き合っているのだし、同じ部屋で寝て当然…。ここで「リアさんと少しお話してみたくて…」なんて言おうものなら、まるでツカサを邪魔者のように扱うこととなる。だが、かといって「あ、何でもないです、すみません」などといって部屋へ帰るわけにもいかない。

「あ、あの、よ、47層のこと、聞いておきたいと思って!」

 どもりながらもシリカが何とか返答をひねり出す。

 
「ああ、そういえば説明してなかったね。ツカサ君がいてもよかったらこの部屋でいい?」

 幸いなことに、リアは特に疑う様子もなくそう言った。ほっとしたシリカが小さくうなずくと、リアはシリカを部屋にあげ、椅子に座らせた後、自分も向かいの椅子に座った。そして、手早くウィンドウを操作し、手の中に小さな箱を実体化させた。中を開けると、透き通ったコバルトブルーの水晶がランタンの明かりを照り返す。

「綺麗…それ、なんですか?」
「“ミラージュ・スフィア”っていうアイテムなの」

 見せたほうが早いか、っといって、リアは何やら操作をし
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