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フルメタル・アクションヒーローズ
第16話 午前は訓練、午後は勉強。……休みは?
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 ◇

 結局、午前の間だけで五回戦まで訓練は続き、俺は一勝も出来ずに終わってしまった……。せいぜい避けるのがやっとで、攻撃を仕掛けられる所までには至らなかったわけだ。

 そんな数時間ぶっ続けの訓練で、心身共にボロ雑巾と成り果てた俺は、今度はどういうわけか、白くて丸い形の棺桶みたいな機械に放り込まれていた。

「棺桶じゃないわ。救芽井家が開発した、最新鋭のメディックシステムよ」

 俺の感想を見抜いた救芽井が、口を尖らせる。もうこいつ、エスパーって認識でいいんじゃないかな。
 しかし、地下室にはこんなものまであったのか……。妙な機械があったもんだ。
 この機械、傷や疲労もすぐに取り去ってしまうスグレモノらしい。五分くらい入っていただけで、擦り傷も疲れも消え失せてしまっていた。

「いつ『技術の解放を望む者達』との戦いで、樋稟が酷い傷を負うともわからんからの。備えあれば憂いなし、ということじゃ。電力消費量が洒落にならんのが難点じゃがの」
「洒落にならないって、どのくらい?」
「今使用した分は、海外の研究所からの送電じゃが……五十万ドル相当の電気代が飛んだのう」
「サ……サーセン……」

 何気にしれっとゴロマルさんまで地下室に来てるし……。おいどうすんだよ。いきなりミニマムサイズのじーさんが出て来て、矢村が固まってんぞ。

「あ、えーと」
「フムフム、龍太君の奥さんの賀織ちゃんで間違いなかったかの? わしは樋稟の祖父、救芽井稟吾郎丸じゃ。旦那様には、随分とお世話になってのぅ」
「ゴロマルさァァァんッ!?」

 なに捏造してんだじーさんコラボケッ! 救芽井も顔真っ赤にして何か不服そうな顔してるし! これ以上ややこしい状況作ってんじゃぬぇー!

「――い、いえ! こちらこそ、いつも夫がお世話になっとって……」

 お前も乗らなくていいから矢村ァァァッ!

「そ、そうや! アタシらまだ入籍しとらんかったし! 早く婚姻届出さなな〜!」

 いつまで引っ張んの!? ねぇ、このネタいつまで引っ張んの!?

「あなた達、いつまでふざけてるのよ!」

 おお! やっと救芽井がその名の通り、救いの手を――

「疲労回復したんだから、すぐに訓練再開するわよ! 今日は寝かさないんだから!」

 ――救いじゃねェェェッ! 完全に名前負けしてるよ救芽井さん! 俺を救うどころかとどめ刺しに行ってるよ!

「なにを言っとんや! 龍太は午前中ずっと訓練ばかりでクタクタなんやけん、午後は勉強に決まっとるやろ!」
「そのクタクタはたった今解決したでしょう!? あなたこそ無茶を言わないで! 今の状況は、訓練で地下室に行く途中で説明したでしょ!? 今は受験勉強なんかに時間を割いてるヒマはないの! あなたも
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