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才能
第三章
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「優れた医師になると」
「そうなのか」
「医学の道に進んだので」
 それでとだ、ヒュンケルはキンメルに話した。二人共今は食堂にいてそこでステーキを食べつつ話している。
「フットーボーラーとしては」
「続けてはいるんだね」
「はい、しかしプロにはです」
 そちらの道にはというのだ。
「そうなりました」
「そこは仕方ないね」
「はい、ですが」
「医学の道でだね」
「その才能を開花させます」
「そうなるか」
「そうなれたのは」
 ヒュンケルはさらに話した。
「やはり」
「あの母親から引き離したからだね」
「あの母親と一緒にいれば」
 どうなっていたかとだ、ヒュンケルはその場合についても話した。
「それこそです」
「彼は今の様になっていなかったね」
「とても、現に彼は今まで一度もです」
「実家に帰っていないんだね」
「夏休みの時も寮にいます」
 他の寮生達が実家に帰ってその分寂しくなってもというのだ。
「そうしています」
「それだけだね」
「あそこには戻りたくない」
「彼自身もそう思っているんだね」
「とにかく酷い扱いでしたから」
 虐待と認識されても仕方ないまでにだ。
「ですから」
「それでだね」
「はい、彼にとっても」
「あそこには戻りたくないまでに」
「嫌な場所ですから」
 それでというのだ。
「引き離してよかったです」
「そして然るべき場所で教育を受けてもらって」
「今に至ります、当時は女性にいい感情もなかったそうですが」
 母親のところにいた時はだ、言うまでもなく自分を認めることなくきつくあたるばかりの母親のところに。
「今は可愛いガールフレンドもいるとか」
「それはいいね」
「このまま彼は才能を開花させて」
「優れた医師になってだね」
「はい、そしてです」
「ガールフレンドもいるし」
「幸せな一生を送ります」
 このことを確信している言葉だった。
「絶対に」
「そうなんだね」
「そうなったのは本当に」
「あの母親から引き離したせいだね」
「あの母親は他人を認めません」
 例えそれが自分の子供であってもだ。
「ただ否定し罵り辛くあたるだけです」
「そんな母親のところにいたらそれこそ」
「どんな優れた才能も」
 それこそというのだ。
「開花するどころか」
「潰れるね」
「最悪ぐれて犯罪者にもなります」
 その未来が完全に壊れてしまうというのだ。
「ですから引き離してよかったです」
「全くだ、では彼の将来は」
「彼の才能により幸せになります」
「そういうことだね、では彼の将来を期待して今は」
「笑顔で見守りましょう」
 ヒュンケルも笑顔になった、そのうえでキンメルに話してだった。
 そのうえでこの日二人は他の学生達の教育の
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