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気持ち悪い
第一章
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                気持ち悪い
 内藤菊五郎はよく外見のことを言われる、それは悪くだ。
 気持ち悪いと言われる、暗く地味でうじうじとしている感じだからというのだ。その彼の外見はというと。
 黒い神はぼさぼさで分厚い眼鏡に太った身体と顔、制服の着こなしも地味でアクセサリー等は付けていない。
 お洒落とは無縁な外見だ、だからだ。
 クラスの女子や自分はいけていると思っている男子からこう言われていた、それも半分以上聴こえる様にだ。
 当然彼もこのことを気にしていてだ、ある日の放課後行きつけの本屋で店長の河原崎左団次にぼやいて言った。
「学校で気持ち悪いって言われるんですよ」
「ああ、よくあるね」
 そう言われることはとだ、河原崎は内藤に返した。項垂れた感じで自分に話す彼に。
「そうしたことは」
「そうですか」
「うん、そうした時はね」
「どうすればいいんですか?」
「服装とか外見を変えるのがね」
 それがとだ、河原崎は顔の下半分を黒い髭で覆った眼鏡をかけた顔で言う、黒い髪の毛は少し縮れた感じだ。
「いいよ」
「外見とかですか」
「そう、お洒落をしてダイエットとかをして」
 そうしてというのだ。
「雰囲気を一変させたらね」
「それで、ですか」
「言われなくなるよ」
「そういうものですか」
「だから君もね」 
 カウンターから内藤に笑顔で話した。
「やってみたらどうかな」
「それじゃあ」
「もう気持ち悪いって言われたくないね」
「はい」 
 学校では気にしていない振りをしている、しかしだった。
 心の中では違う、だからよく知っている間柄の河原崎に対しては切実な声でこう言えたのだ。
「もう」
「そう思うならね」
「ここはですか」
「頑張るといいよ」
「じゃあダイエットをして」
 具体的にはランニングと水泳を考えていた。
「そして」
「そのうえでだね」
「ファッション雑誌とかも買って」
 そこで勉強してというのだ。
「変わります」
「そうすればね」
「もうですね」
「気持ち悪いとか言われない筈だよ」
「わかりました、これまで運動は苦手で」
 そうした部活にも入っていない、実は部活自体入っていない。
「ファッションも興味がなかったですが」
「それでもだね」
「はい、変わります」
「頑張るんだよ」
「そうなります」
 河原崎に約束して実際にだった。
 内藤は毎日走って近所の市営プールでせっせと泳ぐ様になって髪型もタレントみたいにして少し脱色した。
 毎日風呂に時間をかけて入って清潔な感じにして眼鏡からコンタクトに変えてだった。
 制服の着こなしも変えてアクセサリーも付けてだ、三ヶ月程するともう完全にだった。
 別人になっていた、それでこれまで彼を気持ち
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