第二章
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「あとスイミングスクールで泳いでもいるし」
「健康管理はしてるのね」
「一日で絶対に寝てもいるから」
「体調管理しないとやっていけないのね」
「漫画家もね、けれど本当にね」
「稼げる時になのね」
「稼がないといけない仕事だから」
何時仕事がなくなるかわからない、そうしたシビアな世界だと考えているからだというのだ。修はこの辺り真剣に考えている。
「だからね」
「お仕事入れてるのね」
「入れられる限りね」
「そうなのね」
「うん、月刊誌と四コマにウェブ漫画にライトノベルのイラストにね」
「あと同人誌とですね」
結月は自分が今手伝っているものの話をしてさらに続けた。
「あといやらしい仕事」
「だからそれは言わないでね」
「確かに大変ですね」
「連載四つだからね」
別名義のそちらの仕事を入れてだ。
「それで年末はその同人誌とね」
「他に入れたお仕事に」
「そんなのだから、本当に二人には助かるよ」
「あのね、二人共美術部で絵描けてしかも親戚だからよ」
奈津美は申し訳なさそうな叔父に少しむっとした顔で言った。
「だからよ」
「助けてくれるんだね」
「アルバイトでね、それで今日は九時までよ」
「八時でもいいよ」
「それでいいの?」
「女の子が夜歩くのは危険だから」
姪達のことを気遣っての言葉だ。
「だからね」
「八時でいいの」
「今日はね、明日もあるしね」
「有り難うって言いたいけれど叔父さんお仕事あるでしょ」
「大丈夫だよ、ちゃんと三時には寝て七時には起きるから」
そうするからというのだ。
「また明日ね」
「それじゃあね」
「八時で帰らせてもらいますね」
奈津美だけでなく結月も言った、そうしてだった。
二人は八時までアシスタントをして修の自宅兼仕事場であるマンションを後にした、そうしてそのマンションの近くにある自宅への帰路についたが。
奈津美は冬の夜道を歩きつつ共に歩いている妹に言った。
「叔父さんも進歩ないわね」
「ええ、毎年だからね」
「毎年毎年年末はね」
「大忙しだから」
「その時だけアシスタント雇えばいいのに」
「それが私達なのよ」
結月は姉にクールな声で答えた。
「つまりね」
「そういうことなのね」
「ええ、ただ私達も今は時間があるし」
「お手伝い出来るしね」
「叔父さん元々お仕事早いし」
それで連載を幾つも入れている。
「私達は多少の手伝い位でしかもね」
「叔父さんお金払いいいしね」
「悪いお話じゃないわよ」
「まあね、叔父さんの家にいたら漫画もラノベも読み放題だしね」
このことについてはにひひ、とした感じの笑顔になって言う奈津美だった。
「割のいいアルバイトではあるわね」
「叔父さん悪い人じゃないし」
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