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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
「11」 その2
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いた。


「お前は何してる。」

「ハッ!ごしゅっ.....ゴホンゴホンッ.....造偽誠。アナタこそ何をしに来たのかしら?」

「事情聴取だ。もしかしたら何か思い出してるかも知れないからな。」

「私はお見舞いよ。この子は私の派閥の子ですから。」

(なるほどな。自分の派閥のメンバーだからこそ、自分の目で安全を確かめたかったわけか。ってか次席なんだから俺にご主人様って言うの本気でやめてくれ。)

「とりあえず昨晩のことを聞かせてくれれば俺はすぐに帰る。まぁ手ぶらもどうかと思ったから少しくらい見舞の品を買ってきた。お前もいるか?リンゴくらいなら剥いてやらんこともない。」

「あら、気が利くのですね。では頂きましょうか。」


俺はリンゴの皮を剥きながら二人の様子を見ていた。
エリナは派閥のヘッドに相応しい堂々とした態度で彼女と向き合いながらも、言葉一つ一つには姉が妹を気遣うような優しさがあった。
それでこそ派閥のヘッドだ。
俺の前では.........はぁ.....。
考えたくもなかった。

その後、質問役はエリナに任せて俺はメモを取った。
ここは俺が聞くよりエリナに任せたほうが話しやすいだろうと思ったからだ。
だが結果は同じ。
僅かな進展もなかった。


「協力感謝するよ。じゃあ俺は帰るから、お大事に。」

「私はもう少し残ります。」


俺は病室を出た。
ホテルに戻ると安洛寺先輩から呼び出され、2つの事件の現場の確認を見に行った。
俺は現場で誰かの妙な視線を感じた。
しかし、振り返るとそこには誰もいなかった。


「やっと動き出したか....まぁ次はヒントでも....。」


その晩も3度目の事件が発生する。
そこに残されたヒントから俺は犯人を追い詰めることになる。

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