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橋の守護神
第二章

[8]前話
 大阪に伊勢湾台風や室戸台風をも凌駕する巨大な台風が上陸した、この時橋女は他の大阪二十六戦士達と共に災害救助にあたっていた。
 この時にだ、他の戦士達が橋女に尋ねた。
「橋女さん、橋は無事か!?」
「大阪の橋は大丈夫か!?」
「橋が壊れると大変だぞ!」
「大阪は川が多いからな!」
「ええ、安心して」
 橋女は仲間であり常に苦楽を共にしている彼等にすぐに答えた。凄まじい暴風雨から大阪の街と人々を護る為に力を使って台風に向かいながら。
「こうした時に備えて既にね」
「頑丈な橋を造っておいたか」
「そうなんだな」
「この台風にも負けない様な」
「そんな頑丈な橋をかい」
「そうよ、こんな台風には負けないわよ」
 橋女は確かな自信を以て答えた。
「何があってもね」
「よし、橋女さんが橋について言うことだ」
「なら大丈夫だな」
「橋は安心していい」
「我々は他の場所を護ろう」
 仲間の戦士達も頷いた、そしてだった。
 彼等は台風から大阪を護る為に大阪の街の中を駆け回った、そうして見事大阪の街と人々、そこにいる生きもの達を守り抜いた。台風は大阪を通過していったが。
 大阪の橋は一つもヒビ一つ入っていなかった、戦士達はその橋達を見て唸った。
「どの橋もヒビ一つ入っていないぞ」
「これは凄いな」
「ああ、流石は橋女さんが造った橋達だ」
「どの橋も大丈夫だったな」
「ええ、ただ次に造る橋はもっと頑丈なものにするわ」
 橋女はそのヒビ一つ入っていない橋達を見て笑みを浮かべた、しかしそれは一瞬ですぐに顔を弾き締めさせて仲間達に話した。
「前に造った橋よりもね」
「そうしてどんどん頑丈な橋にしていってか」
「どんな災害にも耐えられる橋にするんだな」
「上をどんなものが幾ら通ってもびくともしない」
「そんな橋にしていくんだな」
「そのつもりよ、橋にの頑丈さに限りはないから」
 だからこそというのだ。
「これからもね」
「そうか、頑張ってくれよ」
「これからもどんどん頑丈な橋を造ってくれよ」
「そうして大阪の人達を助けてくれ」
 戦士達はその橋女に暖かい声をかけた、台風が通り過ぎた後の大阪はすっきりとした天気になっていた。雨も風も過ぎ去った晴れ渡っている空の下で大阪の橋達を見ながら彼等は決意をあらたにする橋女を見て自分達も笑顔になっていた。


橋の守護神   完


                 2017・12・25
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