暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 聖なる槍と霊滅の刃
第二部 英雄たちの策動
遭遇戦
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神器までしっかり切り裂いた。これなら、いずれ万霊殺しの力が侵食するはず。だけど、そんなのに頼らない。

「――あなたは、ここで確実に倒す」

一足飛びに間合いへと飛び込む。打ち出される拳を回避し、繋げられるラインを切り飛ばして。突き込んだ切っ先を弾かれて、代わりに蹴りを腹に埋め込んで。強烈な拳に突き放されて。
思考と五感をフルスロットルにして、攻防を繰り返しながら好機を探る。相手は徐々に万霊殺しに蝕まれていくが、私のほうもスタミナが少し心もとない。
覚悟を決めたのか、腰を落とすヴリトラ。莫大な戦闘経験値が教えてくれる。そのまま、最後の力を込めて拳を放つ。当たれば、間違いなく私は沈む。
だったら、こっちが先に仕留める。それだけだ。
拳を打ち出してくるヴリトラの動きに合わせて、突っ込む。砲弾の様に突き出される拳、それを見切ることだけに照準を合わせる。
突き出されてくる拳が体に届く―――寸前、ギリギリのところで身を捻る。
危うい賭けではあったが、ヴリトラの拳は空を切り……

「――終わり」

すれ違いざまの一閃が、その体を切り裂いた。



二人の悪魔を戦闘不能にした私は、工場へと向かいながら自分のダメージに顔をしかめていた。さすがに二対一は無茶だったかもしれない。
腕は折れてこそはないけれど感覚が怪しい、カウンター系神器(セイクリッド・ギア)で受けた傷は、体中につけられておりじくじくと痛む。
仕方ない……万が一にと曹操が持たせてくれた『とっておき』を使うしかないか。
誰も見ていないことを確認し、それを取り出す。液体の入った小瓶を開け、中身を振りかける。『フェニックスの涙』。いかなる傷もその場で癒すことが可能なアイテム。
シュゥゥゥゥゥ…と煙を立ち昇らせながら、傷が治っていく。スタミナの消耗だけはどうにもならないけど、こればっかりは仕方ない。
さて、工場に向かおうかと気を取り直したとき―――背中に氷を入れられたかのような寒気が。
この気配……間違いなく上級悪魔クラス。もしかして、ソーナ・シトリーが眷属が撃破されたことを悟ったのか。だとしたらまずい。これ以上、イレギュラーで予定を狂わすわけにはいかない。
全力で工場へと向かう。間に合えばいいけど……
廃工場へ無事にたどり着き、屋根に上ってちょうど空いていた穴から中に潜入する。気配を殺して除いてみれば。中には、今まさに転送されていく構成員の姿が。

「(間に合わなかった、か。任務失敗だね。ごめん、曹操)」

ポケットから携帯を取り出し、少しの間操作する。
あらかじめ打っておいた成功と失敗の報告用メールのうち、失敗のほうを選択して、ボタンを押す。
さて、じゃあ私も撤退しよ―――

「……そこにいるのは、誰ですか?」

……………………どうやら、今日
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