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ハイスクールD×D 聖なる槍と霊滅の刃
第二部 英雄たちの策動
お仕事
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しの爪や牙をもつ異形の群れが、人間に襲い掛かる。

「…これが、『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』なんだね」

怪物を好きに作り出す神器(セイクリッド・ギア)能力。そして現れたモンスターの群れ。
―――何が起こったかは、ほぼ明らかだった。
大方、レオナルドを処分しようとしていた輩を前に、暴走が起こったのだろう。
なまじ自分が接触したことで、『外に出られるかもしれない』と言う小さな小さな『希望』が生まれたことだろう。それが生まれた後に処分―――殺されるとわかったらどうなるだろうか。

「……光が強くなるほど、闇も深くなる。自明の理、だね」

希望が大きくなるほど、それを奪われる際の絶望は大きくなるだろう。いつだってその両者は紙一重であることを、私は嫌と言うほどよく知っている。
そんなことを考えながらじっとしている私に、モンスターたちも気が付いたようで、じりじりといくつもの気配が迫ってくるのが感じられる。

「―――助ける側なんて、柄じゃないけれど」

それでも、ただ黙って見逃すわけにもいかない。レオナルドを連れてこいと曹操から言われているのだ。混乱しているならいい機会でもある。
それに何より………

「……これ以上、同類の『悲劇』を…作り出すわけにはいかない、かな」

刀の柄を握り、鞘から引き抜く。刀身に蒼いオーラが絡みついていく。
輝きを放つ刀を手に、走り出す。
―――目指すは、屋敷の中の地下室だ。



モンスターの繰り出す爪、牙、遠距離攻撃をステップで躱し、すれ違いざまに斬撃を叩き込む。
時に倒れたモンスターを足場にして跳躍し、盾にし、返す刀を容赦なく急所に叩き込んで戦闘不能に追いやる。
床を、壁を、相手の体を使って縦横無尽の駆動をしながら急所に刀を突きたてる。
斬り倒したモンスターの数は軽く30を超えた。傷こそ受けてないものの、さすがに私の息も乱れる。
どっと崩れたのを利用し、地下室前の扉に手をかける。最低限の隙間だけ開けて身を滑り込ませる。
――――やはり、いた。
自身の周りに不気味な影を広げ、魔獣を生み出しているレオナルドが、そこにいた。

「―――迎えに来たよ」

私の声にも反応を示す様子はない。虚ろな瞳がこちらに向くだけだ。
予想は正しかったみたい。大方、地面に見える血痕はレオナルドを処分しようとした人たちの物だろう。肉体が見えないのは……うん、あんまり考えないようにしよう。

「―――皆、死んだ。やっぱり僕は……バケモノ…なんだ」

「私は死んでないけど?」

勝手に殺されたことにされてはたまらない。何のためにここまで来たのかわからなくなる。
半ば反射的に口に出た言葉に、レオナルドがゆるゆると振り向く。

「殺してよっ…どうせ………いつ
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